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別れ、出会い 前編 ページ1

僕が、幼稚園にいたころの話。両親が同じ職場で働いており、いつも帰ってくるが遅く、いつも母方の祖父母に面倒を見てもらっていた。休みの日は、週に2回。1回は、寝て過ごし、もう
1回は、いつも遊んでくれていた。なに不自由なく暮らしていたはずだった。けど、僕は、二人と
もいっぺんに無くしてしまった。死んだんだ。僕の両親は。車で帰る途中、横から猛スピードで
突っ込んできたトラックによって、即死。僕は、僕のことを支え続けてきた存在をいっぺんに無く
してしまったんだ。でも、これはとある出会いの始まりでもあったんだ。それは冬のある日、家族
の葬式に参加していた僕は、庭先で一人花を摘んでいた。父さん、母さんの棺桶に入れるためだ。
花を摘み終えて、僕は家に上がるとおばあちゃんが、「かわいそうにね。ソラ君一人置いて、逝っ
ちまうなんて。」と言っている。泣きながら。僕も泣いていた。この葬儀は、身内だけで行われた。だけど、親戚は一つだけ。父方の祖父母はとうの昔に他界しているため、母さんの兄にあたる恭介さんとその嫁さん、その子供の実君が来ていた。僕は、俯いていた。あっても話すことがないのだから。ずうーと、俯いて黙っていると玄関から、「ただいま。」と言う声が聞こえた。じいちゃん、ばあちゃんが目を丸くしていた。そこにいたのは、黒いスーツを着ていた、年齢が分からない、でも若そうな男の人がたっていた。顔は僕に少し似ている。おばあちゃんが、「竜ちゃん。」と言っていた。「婆ちゃん、親父とおふくろが両方いっぺんに他界したんだって。」「ああ、そうだけど。でも伝えてないのに、よくわかったね。」「親父がこっちに来て、「俺と母さんは、事故で死んだんだ。」って言っていたんだよ。」じいちゃんが、そうかと呟いた。
 葬儀が始まる。僕たちは涙ぐみながらお経を聞いていたが、竜兄ちゃんはお経を本を見ないで朗読していた。それが少し、不思議に見えた。お経が終わり最後の挨拶、棺桶に花を入れていくときに僕は、庭に積んでいた花を入れた。と竜兄ちゃんが僕の耳元に、「お袋からの伝言、「独りぼっちにさせて、ごめん。」って言ってた。」それを聞いた瞬間僕は、号泣した。大声をあげて泣いていた。竜兄ちゃんは、僕を抱いて、頭を撫でていた。自分も涙をこらえるしぐさを見せながら。周りの人達も泣いていた。僕だけが大声で、涙を流していた。さびしいから、もう会えないから、二度とあんな日常をおくれないから。

別れ、出会い 後編→



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設定タグ:竜兄ちゃん , オカルトシリーズ , 心霊通信   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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- いいお話だと思います。新しい小説書くの頑張ってください (2016年11月12日 13時) (レス) id: f92c98848b (このIDを非表示/違反報告)
夜行 - 更新ありがとうございます。不思議な気持ちになるお話ですよね。 (2016年9月7日 17時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
餓鬼魂 - 少し切なくってくるシリーズですね。好きな作品のうちの一つですよ。応援します。 (2016年9月7日 17時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
- おもしろいですね。更新応援させていただきます。 (2016年9月6日 21時) (レス) id: 689b4df6a4 (このIDを非表示/違反報告)
夜行 - 書き方変えてきましたね。前よりも、読みやすくなったと思います。 (2016年8月16日 12時) (レス) id: cd7a83a97a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カニ x他1人 | 作成日時:2016年2月14日 15時

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