人間と怪異と半怪異【参】

半怪異が130体 ページ34

　


『(ここ...でもさっきと全然空気が違うッ...





！)』





　








Aは目線を上げると、二人の男女が目に入った。




男女と言っても、一人は幼女で一人は大の大人だ

　






　









Aは二人の会話に聞き耳を立てた








　









「...あなた...だれ？」





　









「...僕は身代わり地蔵の仲間...というよりは、同じような力を持っている妖だよ。

でもまだ僕自身も自分が分からない身なんだ






おっと、こんな事を聞いてるんじゃないね。


僕は和春、コレが僕の名だ。」
　









「...ここで何してるの？ここはあたしの世界よ...」





　


　







　



「...大切な人を探してるんだ。



ここからそんな気配がしてね...いや、ごめんよ邪魔をして。



　



それより君は...こんなところでいつも一人でいるのかい？」




　








『！』




Aは焦った。



今のヤコはおそらくミサキがもう来ないと思ってどうしようもない気持ちでいっぱいなはずだ









そんな質問をしてヤコが平常心を保てるか...夢だと分かってても少し緊張してしまう

　






　








「...ひとり


昔はミサキがいた。でも...もうミサキは来ない...」




　









「...君も、大切な人を失ってしまったんだね」




　








「え...？」





　







　





『大切な人...？


ッ！！！』







　





　








またもや大きな風が吹き、Aは目を強く瞑る...








次の瞬間、意識を手放した

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