人間と怪異と半怪異【参】

半怪異が125体 ページ29

花子くんはきっぱりとヤコにそういう。



　


だがヤコは下がらない








　


「ッミサキのためなのよ！！」


　




　




そう言いながらヤコは花子くんにハサミを向ける




　


「...」


　







花子くんもヤコに向かって包丁を構える



　

　








「ッ！！」






そしてヤコがハサミを振りかざしてきたのと同時に花子くんはAを抱えて華麗に避ける




　








　




『んッ...！』









「ごめん名前、少しだけ我慢してね...！」






　



Aは抱えられ避けるために動く振動で身代わった傷が痛みだす




　






　





　






そんな二人の攻防が繰り広げられる中、花子くんはAに静かに耳打つ。


　






「名前、聞いて。


恐らくここが二番の最深部、依代があるところだ」



　







　


『！やっぱりｯ、いっッ...』



　








「ッごめんよ！

っと、あぶなｯ...



　





それで、名前も気付いてたなら話が早いッ...！



依代さえ壊せばなんとでも出来る、何かなかった？恐らく、二番にとって価値があるもの...大切なものとかｯ...ほッ！」



　


　






「ちょこまかと...！



Aを早くおろしてあなたもここから去って！！」




　




　



「ッ...」








　



『ん゛ッ...！




ッ、それを...壊せばいいの？粉々に、とか？』









「いや、札が貼ってある。それを剥がすだけでいいよッ、と！！
　



その間、二番は俺がなんとかするから...できる？」




　






　






『ッ...うんっ！やる！




できる！！』




　








「よし！」





　




　





二人はなぜか悪戯っ子のような笑みを浮かべて見つめ合った

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