人間と怪異と半怪異【弐】

半怪異が96体 ページ49

しかし今はそんな感覚に浸っている暇はない。








　



Aは寧々の一言で我に返る








「...！

ねえ、『ミサキ』ってッ...」








「あ...」
　









　






Aは二人の呟きにハッとし、受話器の話口を手で覆い二人に目をやる。


　
そして同じ様に呟く


　




『...七不思議からの電話......』







　









　









　






ミサキは受話器の向こうから話を続ける








【この階の上にある学び舎で、生徒にものを教えていたの。




　






　






　






　



　






でも...ここで身を裂かれて殺された



　




ちょうどあなたが立っているところでね】



　







　





『っ...』







全身で震えたのをAは感じた









懐かしい感じがするも、やはり思い出せない限りは相手はよく分かりもしない怪異...


しかも人を襲っているのだ。
　









　







ミサキは続ける




　







【ねえあなた...あたしの身体探してくださいな】

　




　







『か、らだ...？』






　






【、...えぇそうよ。

　

これじゃあ何も出来ないわ...】


　









『、？(今、一瞬だけ...ｯそれより)






ま、まってッ...！あの、葵はｯ...』



　






　








　




そんなAの話は聞かず、『ミサキ』はどんどん話を続けていく









【まずは腕、右の腕...




　
この手であたし、白墨(チョーク)を使って字を書くの】







　



　


『ッ...』




　






【急いでね





じきに授業が始まるわ】



　


　

　






　









ミサキはそう言うと、無造作にガチャンッと電話を切った

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