箱庭少女の孤高哀歌【瞬木隼人】Part13 (ページ38)

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#流れとキャプテンページ38

不意にキャプテンとはー君の目が合う。

アイコンタクトで何か伝えているような気がした。

天馬「行っけェ！！」

直後にキャプテンは、前線のはー君にボールを託した。

はー君はそのボールを受け取ると、すぐに踵で後ろに蹴ってバックパス。

ボールは剣城君に渡り、剣城君はゴールに向けてシュートを放つ。
真正面からのシュートで、しかもノーマルシュート。
この局面でどうして必殺技を使わないのかと思ったけれど、それはただの勘違いだだた。

直後、驚く事に、はー君が剣城君の蹴ったボールを追い掛け始めた。

ノーマルシュートと言ってもスピードがかなりあるのに。
しかもアースイレブン1の点取り屋である剣城君のシュートだ。威力も然る事乍らそのスピードは多分常人じゃ追いつけないんじゃないかな。

でもはー君はそのボールに追いつく事ができ
ボールと一緒に飛び上がって更にシュートをぶち込んだ。

瞬木『ブラックドーン！』

剣城君とはー君の協力技が炸裂。

新たな必殺技ち相手も為す術がなかったようで
ボールはゴールに突き刺さった。

得点は2-3。

流れが変わって来た。

キャプテン達の士気も上がり、アースイレブンの曇っていた表情が明るくなっていく。

今までもこうやって窮地に陥って、でも皆で頑張ってそこから抜け出そうと足掻いて、結果勝ってきた。

この調子ならきっと今回も皆は勝利を勝ち取ってくれるだろう。
私はアースイレブンを、皆を信じる。信じてる。

A「頑張って……はー君…！皆…！！」

胸の前で手を組み、私は呟く。

時間はまだある。焦らなければ行けるはず。
アースイレブンなら、きっと。

A「………？」

瞬木「…」

……でもその中で1人だけ、浮かない表情をしている人が。

はー君だ。点を決めた直後は彼も喜んでいたのに
今は1点を見遣り、何だか呆れているような顔をしている。

その視線の先には……キャプテン。

また、キャプテンだ。

A「(どうして、そんな顔をするの…？
キャプテンも皆もこんなに頑張っているのに……)」

……はー君はまだ〝キャプテン〟らしいキャプテンが気に食わないみたい。