箱庭少女の孤高哀歌【瞬木隼人】Part12

#勝負の行方 ページ40

神童「瞬木！」



神童君は井吹君の超ロングパスを胸で受け止め
すぐに前線のはー君へとパスを出した。



天馬「頼む！」

瞬木「任せろ！」

A「いっけェっ！！」



アースイレブンに訪れた絶好のチャンス。

はー君はいつになく調子良さげにそう言って
神童君からボールを受け取った。


しうして猛スピードで敵のゴール前まで攻め込むと、彼は必殺技の構えを取った。



瞬木『パルクールアタック！』



はー君の強烈なシュートに相手は為す術もなく
鮮やかにゴールに突き刺さり、同点ゴールを決めた。


1-1

やっと追いついた…！



瞬木「決めたぜ！」

天馬「瞬木…！」

信助「やったね！」

葵「ナイスシュート！！」

A「さっすがはー君！」



ベンチでも歓声が沸き起こり、私に至ってはベンチから腰を上げて、まるで自分の事のように喜んだ。


だってやっと得点入れられたんだから…！

それに決めたのはー君だもん！



はー君はゴールを決めた後、得意気にキャプテン達と話していた。
けれど不意にベンチの方を向き、私を見遣ると
片手で親指を立ててﾆｯと歯を見せて笑った。

少し悪戯っ子のような、でも頼もしいその笑みに私も笑顔を浮かべると
自分もはー君と同じように親指を立てて、ｸﾞｯと腕を伸ばした。



−−−



相手チームのキックオフで試合は再開。

さっそく剣城君が切り込んで来るけれど
そんな彼に挑むのはやはりキャプテンだった。


キャプテンは剣城君からボールを奪ってそのまま抜き去ったかと思われたが、剣城君はその後を猛追。

あっという間にキャプテンと並走して走る形となり
剣城君はその状態で不意に足をキャプテンの方に出して、キャプテンの足元からボールを弾いた。



ﾘｭｹﾞﾙ「行け、ガンダレス！」



零れたボールはリュゲルさんが受け取り、真名部君が奪いに向かうがその直前に彼はボールを弟さんへと繋いだ。



ｶﾞﾝﾀﾞﾚｽ「行くよ、リュゲル兄！」

鉄角「さくら！」



弟さんはボールの着地点で待っていたようだが
受け止める前に鉄角君がヘディングでそのパスをカットし、さくらちゃんへと繋いだ。

さくらちゃんは更に山なりのボールをセンタリングでキャプテンに託すが、そこへ剣城君が躍り出る。


頭上にあるボールを取ろうとキャプテンと剣城君はほぼ同時に踏み込み、高く跳躍。

やがて同じ高さに上がって、ボールを挟み対峙する。



キャプテンと剣城君。


今日何度目かわからない、勝負の行方は………

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