箱庭少女の孤高哀歌【瞬木隼人】Part12

#容赦無いシュート ページ38

A「井吹君っ…！」



…やはりあの時足を痛めたんだ。

なのに井吹君、無理して出てるから。
きっとあの様子だと足はもう限界だ。



剣城「これで決まりだ！」



だが剣城君はどちらにしろ手加減する気は一切無いらしい。

寧ろ今までのシュートはこの瞬間の為に打ったのだと思うくらいに、剣城君はトドメを刺しにかかった。



剣城『バイシクルソード！』



容赦の無い剣城君の必殺技が炸裂。
アースイレブンゴールへと迫る。

しかし井吹君は今の2回のシュートで足が限界だったようでまともに動く事が出来ず、ボールはゴールネットを貫いた。



0-1


先制点はファラム・オービアス。



鉄角「あんにゃろ〜…容赦ねぇな」

久坂「まぁ、俺達への最高のもてなしってワケじゃねーか？」



あまりに容赦の無い剣城君に2人は呆れ気味。

でも剣城君の気持ちを考えたら、本気なんだから容赦なんてしないよね…なんて。


それに今まで私達と一緒に闘って来たんだもん。
剣城君が攫われてからまた更にレベルアップしただろうし、例え剣城君でも油断は出来ないんだろう。

そう考えたらなんだか認められたようで、ちょっとだけ嬉しい気分。



井吹「いいねぇ…決勝戦はこうでなくっちゃ…
まだまだこれから！もう1点もやらないからなァ！」



………ただ、井吹君はちょっと心配。




−−−



再びアースイレブン側のキックオフ。

ボールはキャプテンからはー君へ渡るも、直後にバカ兄弟に奪われてしまった。



ﾘｭｹﾞﾙ「ロダン！」

ﾛﾀﾞﾝ「決めちゃうよ？」



しかもボールはよりにもよってあのおチビさんに。

おチビさんはそのまま加速して上がって行き、完全にゴール狙う気満々だ。


ああ、また井吹君酷い事されないかな……

お願いだから普通に決めて…！



……って、普通に決められるのも困るんだけど。



ﾛﾀﾞﾝ『カザンライ！』



でも私の心配は杞憂だったようで、おチビさんは今度はちゃんとした必殺技を放った。

強烈な彼のシュートはゴールへ向かって行き、構えた井吹君が迎え撃つ。


でも井吹君、足痛めてるみたいだし……

信じていないワケじゃないけれど、また無茶をしてしまわないか内心ﾊﾗﾊﾗしていた。



だがそれもまた無駄な心配だったみたい。

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