箱庭少女の孤高哀歌【瞬木隼人】Part12

#楽しもう！ ページ35

…そうだ。剣城君の言動は確かにこちらを裏切っているようにしか見えない。

でも胸の内に秘める想いはきっと変わってなんかいなかったんだ。
前の剣城君と同じ、アツイ想いが滾っていた。



天馬「剣城にはこの闘いに全力で挑まなきゃいけない�牴燭��瓩�あるんだ」



キャプテンは顔を上げると、いつものキャプテンらしい笑顔を浮かべた。

どうやら剣城君は変わってないと知って、悩みが吹き飛んだみたい。


そのままの表情で神童君の方を見遣ると、彼は驚くべき事を口にした。



天馬「神童さん、楽しみましょう！サッカーを！」

神童「えっ…？」



これには神童君も驚いてしまっているらしい。

キャプテンは更に皆の顔を見渡しながら続けた。



天馬「皆も！敵は剣城。俺達にとっては最強の相手です！面白いじゃないですか！」

神童「地球の…いや。宇宙の未来がこの闘いに掛かっているんだぞ？」

天馬「正直、この闘いの重みも本当に理解出来ているかどうかわかりません。
でも俺、剣城の言葉で大切な事を思い出したんです！

この闘いは、この出会いは、この瞬間だけなんです！だからこそ、想いと想いをぶつけ合って最高の試合にするんですよ！

それが俺達の大好きなサッカー！ですよね？」



1人1人の目を見ながら、キャプテンはｷﾗｷﾗした瞳で皆に聞いた。


この闘いは自分達の星を賭けた大切な大切な試合。
楽しもうだなんて、そんな遊び半分の気持ちでプレイするのは些かどうかと思われるかもしれない。

でも相手はあの剣城君なんだもん。
敵になってしまったのは悲しいけれど、今まで共に闘って強くなったチームの一員。


キャプテンの言う通り、私達にとっては最強で最高の相手だ。
こんな闘い、こんな出会いはもう二度と訪れないかもしれない。

だからこそ悔いの残らない、楽しいサッカーをしたいんだと思う。
最後の闘いを皆と一緒に楽しみたいんだ。



うぅう〜〜！私もベンチなんかから飛び出して参加したいっ…！

キャプテンの話を聞いてたら、なんだか胸がうずうずして来ちゃった。

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