世界征服〜僕らのサーカス〜【イナGO】 VSフィフスセクター編 第陸幕

辻 299 ページ22

そう言えば俺は……イドラと一緒にフィフスセクターの本部に向かって、攫われた仲間と交戦して、終わった後に何だか気が抜けて…………


そこまで思い出して、その先がぷっつりと思い出せない。
きっと気を失ったんだろう。

だとしたら一体、どうして？



慣れない戦闘で疲れてしまったんだろうか？

それとも�犂擬圻瓩稜塾呂里擦い�。



………どちらにせよ情けない話だ。



「いやぁ、あの時はびっくりしたなぁ〜……アンタを運んで来たAのあんな取り乱した顔は初めて見たわ。
やっぱあの子、霧野と彼を…」

「…って、そう言えばエリカさんって何でイドラの事知ってるんですか…？」



俺が思考している間に話を続けたエリカさんに、ふと浮かんだ疑問をぶつけると
エリカさんはしれっとした態度で「え？」と首を傾げた。



「私、《イドラのサーカス》の情報屋やってるのよ？」

「じ、情報屋っ…？！《イドラのサーカス》のっ？！」

「まぁね、Aに頼まれちゃったし、ちょっとあの子とは色々あったから…仕方なく。

………言ってなかったっけ？」

「き、聞いてませんよ！何で言わなかったんですか！」

「だって聞かれなかったんだもん。
聞かれないモンべらべら喋っても仕方ないでしょ？」



………道理で神童の居場所を知っていたはずだ。



ｷｮﾄﾝとした顔をするエリカさんに俺は思わず溜息が漏れる。

するとエリカさんは「なんか…ごめんね？」と曖昧に謝ってきて、俺は「いえ、いいんです」と首を横に振った。



「…ところで、現状を教えて頂けませんか？
エリカさんについては少しわかったけれど、俺の置かれた今の状態は何もわからないので……」

「勿論、教えるつもりだったわ。
ついでに話したい事もあったし」

「話したい事…？」



何なのだろうか、話したい事とは。


とりあえずエリカさんの神妙な面持ちから
あまりいい話ではなさそうだ。

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