辻 290 ページ13
これは当たると思った。
確実に刺さると思った。
しかし突き出した腕に握られたナイフは誰も切る事も刺す事もなく
手応えなくただヒュンと、風を刻んだだけだった。
「っ……?!」
爐わされた
一瞬そう思ったが、どうやらそれは違ったらしい。
だって白竜は俺に刺される前に、倒れただけだったのだから。
「はっ……?」
視界が悪い霧の中、俺の口から思わず声が漏れる。
白竜は俺に刺される事なく、ただ静かに前に倒れ、そのまま微動だにしなかった。
演技かとも思い、俺はそろりと近付きつつもナイフを構えていたのだが
どうやらそうでもないらしく、彼は静かにうつ伏せに倒れていた。
………何が、起きたのだろうか。
誰かに攻撃されたのか、それとも限界だったのか。
生憎霧が立ち込めていて、よくわからなかったが、どうやら彼の意識は無くなったみたいだ。
一応確認の為に足先で彼をつついてみたが、やはり反応は見られない。
そこでようやく白竜は気絶したんだと理解して
その瞬間、俺の腰は砕けその場にヘナヘナと崩れ落ちた。
……多分、これで良いのだろう。
イドラは「殺しかけろ」と言っていたが、きっとソレは単純に『油断するな』と言っていたんだと思う。
彼等はイドラ曰く暴走状態であったわけだし、下手すれば俺達の方がやられる可能性があったから。
それこそ本気で、殺す気で行かないとダメだったんだと思う。
でも本当なら意識を飛ばすだけで良かったんだ。
大人しくさせられれば良かったんだ。
だったらきっと、これでいい。
相手が勝手に意識を手放したのならラッキーじゃないか。
「…でも一応、薬は飲ませた方が、いい…よな?」
ひとまず白竜を止めた事に安著しながらも、あちこち彼が怪我をしている事を知り俺はポケットから薬を取り出す。
きっとイドラの戦闘していた時になったものだろう。
1粒試験管から取り出してうつ伏せの彼を仰向けにし、彼の口の中に押し込んでやると
忽ち彼が負っていた傷が癒えていって、心做しか苦しそうに歪んでいたその表情も和らいでいくような気がした。
……やっぱ、この薬はあの人の薬……だよな。
でもイドラは確かにこの薬を爛┘螢の薬瓩世函帖
「……それにしても、どうしていきなり倒れたりなんか……」
落ち着いた事により次々と湧き上がる疑問。
癒えていく傷を呆然と見遣りながら考えていると
ふと視界が良くなっていく事に気が付いた。
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いろは@裏垢(プロフ) - *IJu*さん» そうなんですよ…… もう絵は出来上がっているんですけどバージョンが古いのか容量が足らないのかわかりませんが反応が遅くて………まぁ頑張ります!年単位では絶対に有り得ませんけど笑 1日でも早く載せることができるように最善は尽くします(; ・`д・´) (2017年8月11日 20時) (レス) id: 85a6a05115 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - いろは@裏垢さん» こんばんは! 没収されてしまったんですか……大丈夫ですよ、無理はしないで下さいね? こちらは何日でも何年でも気長に待ちますから〜! (2017年8月11日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
いろは@裏垢(プロフ) - *IJu*さん» こんにちは!実は、親に携帯を没収されて…。それでこっちで送りたいのでもう少しかかるんです。すみません。 (2017年8月9日 20時) (レス) id: 85a6a05115 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - いろは@まろうさぎさん» コメントありがとうございます! いえいえ、気長に待っているので大丈夫ですよ〜! 慌てないで下さい( ˇωˇ ) 完成楽しみにしてますね〜! 更新頑張ります!、 (2017年8月6日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
いろは@まろうさぎ(プロフ) - *IJu*さん» すみません!!出来上がりに手こずってしまい……あと2日ほどで塗り終わりそうなのでそれから載せさせて頂きます。更新がんばってください! (2017年8月5日 9時) (レス) id: c9a372b3fb (このIDを非表示/違反報告)
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