世界征服〜僕らのサーカス〜【イナGO】 VSフィフスセクター編 第陸幕

辻 289 ページ12

俺って、何でついて来たんだろう。

何で此処で寝てるんだろう。



どうしようもない自分が情けないを通り越して笑えてくる。


イドラはこんな俺に頼んでくれたのに、俺は何にも出来ないんだ。

どうして俺はイドラのように強くないんだ。



ああ、今だけイドラ達のような力がほしい。

それがあれば、この状況を覆せるかもしれないのに。



なぁ……神様。いるなら返事してくれよ。

俺の声に答えてくれよ。



俺にも、誰かを助けさせてくれよ。




「頼むから………カミサマ……」



望む事しか出来ない惨めな自分。
そんな自分が嫌になり、拳を握り締めたその時だった。



ふと部屋の中に再び�猝賢瓩�出現したのは。



「……！」



ソレはこの部屋全体に徐々に広がっていき、あっという間に周りの視界が白んでいく。

しかしコレは外から来ているワケではない。何せこの部屋に窓は無いのだから。
だとすると誰かの能力だったりするのだろうか。


一体、誰の？



『ｷﾞｯ……』



�猝賢瓩僚亳修吠鯀海畔佞蠅鮓�渡していると、ふと前方から苦しむような声が聞こえた。

うっすらと見えるシルエットから、その声の主は白竜のようで
彼は何やら苦しんでいるのか、口元に手を当てて背中を丸めていた。



…まさか、この�猝賢瓩詫�毒なのだろうか。

真っ先にそう思ったが、別に苦しくは感じないし、痛くも痒くもないので、どうやら俺には無害のようだ。


何なのだろうか、これは一体……？



「とにかく……チャンス、だな」



考えても埒が明かないと思った俺は1度その事について考えるのをやめると
持っていた銀のナイフを握り締め、悲鳴をあげる身体を動かして立ち上がる。



ヤツは今、この�猝賢瓩剖譴靴鵑任い襦�
その間にトドメを刺してやればいい。


そう考えると俺は白竜の元へと一気に駆け出した。



�猝賢瓩涼罎離筌弔呂泙清譴靴鵑任い襪茲Δ如△修離轡襯┘奪箸呂海舛蕕貿愧罎鮓�けていた。

俺はナイフを構えると心臓部分に狙いを定める。

額からは嫌な汗が伝う。ナイフを握る手が強ばった。
きっとこれから人を刺す事に怯えているのだろう。
何せ俺は人を刺した事なんて産まれて今まで無かったし、これからも永遠に無いと思っていたのだから。



「はぁぁああああ！！」



その姿がぼんやりと見える所まで近付いた俺は、恐怖や怯えを吹き飛ばすように声を張り上げた。

そうして構えていたナイフを引き、走っていた勢いも使って思い切りナイフを突き出した。

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