○花冠の作り方○ ページ8
「まずは〜、お花をバッテンにします」
ゴウセルもある程度お花を摘んだみたいなので、早速花冠の作り方をゴウセルに教えてあげる。
自分の両手にそれぞれ持っていたお花をクロスさせてゴウセルに見せると、ゴウセルは興味深そうに私の手元を見て真似をした。
なので次へと進み、右手側の茎を巻き付ける。
「次に、こうやって巻き巻きして〜お花をもう一本用意するの!」
「こうか?」
「違うよ、ゴウセル。ちゃんと押さえて巻かないと!」
「…こうか?」
「そうそう!上手だね、ゴウセル!」
1回間違えちゃったみたいだけれど、ちゃんと教えてあげたらすぐに出来た。
それが何だか嬉しくって、思わず笑みが溢れてしまう。
私は笑いながら、また新しいお花を1本持つと説明を続けた。
「それで、またバッテンにして〜同じように巻き巻きするの!」
「こうか?」
「違う違う!だからちゃんと押さえて巻かないとダメだってば〜」
…でもゴウセルったら、またさっきと同じ所でつまづいた。
ゴウセルは不思議そうに首を傾げながら、手元のお花を見つめる。
「押さえる…?何処をだ?」
「このバッテンの中心だよ?
此処を押さえないと、お花が巻きつけないじゃん」
「なるほど」
とりあえずまた同じように教えてあげると、今度はきちんとお花を巻けた。
それをゴウセルは何処か得意げに(と言っても無表情だけれど)見せてきたので「凄〜い!」と手を叩いたら、ゴウセルはまたじっとお花を見つめた。
「あとはこれを繰り返すだけ!
どう?簡単でしょっ?」
「…本当にこんなもので冠が作れるのか?」
「作れる作れる!間違わなければ!」
「間違った場合は無理なのか?」
「無理…かな、多分。
あ、でも私に言えば直せるかもしれないよ?
だから間違っちゃったら、私に言って!」
「了解」
花冠の作り方を粗方教えたのでゴウセルに尋ねると、ゴウセルはこくんと頷いて今度は1人でお花を巻き付けた。
私も自分の花冠に視線を移すといつも通りに作り始める。
いつも通りに鼻歌を歌いながら。
でもいつも通りじゃないのは、何だかいつも以上に楽しい事。
人に何かを教えるのって、こんなに楽しいんだ。
人と一緒に何かをするのって、こんなに楽しいんだ。
隣にゴウセルがいるだけなのに、毎日が楽しくて楽しくて。
ずっとずっとこんな時間が続けばいいのにって思っちゃう。
……そんなの、叶いっこないのは知ってるけれど。
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*IJu*(プロフ) - フウさんさん» コメントありがとうございます〜!お気に召して頂けたようてま( ˇωˇ ) なるべく早く更新できるように頑張ります…! (2018年7月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
フウさん(プロフ) - すごく面白いです!!!早く続きみたいです!! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 68aa123671 (このIDを非表示/違反報告)
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