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○嬉しくて○ ページ22

「……ゴウ…セル…」



震える声で、彼の名前を口にする。


だってその言葉は、そのセリフは、その答えは。

今まで誰にも私には言ってくれなかった。
思ってもくれなかった。


当たり前で、前提で、常識。

脆くて、弱くて、1人じゃ生きられない。
爛丱吋皀劉瓩任呂覆、そんな種族の1人なんだって、理解してくれたから。


私もただの狄祐岫瓩覆鵑世辰董言ってくれたから。



「…ゴウセルッ……」



また頬に涙が伝う。

でも今度の涙は悲しい涙なんかじゃない。


泣くのは恥ずかしいけれど、その時は声を抑えたりせず素直に泣いた。


だって私、凄く嬉しかったから。

そんな事言ってくれる人なんて全くいなかったから。


ゴウセルが初めてだったから。



「A、泣くな」



…でもゴウセルは困っちゃったみたい。

私の涙を必死に止めようと、また私の頭を優しく撫でてくれた。



違う、違うのゴウセル。
私、今とても嬉しいの。

とてもとっても、嬉しい。嬉しいの。



「A、どうしたら涙を止めてくれる?
どうしたらまた笑ってくれる?」

「無理、だよぉ……!」



ゴウセルは何処まで優しい人なんだろう。
でもこの涙は止められる事なんか出来なくて。

嗄れた声で答えながら私は首を横に振ると、私は口元を綻ばせた。



「だって……とても嬉しいから…

…そんな事言われたの…初めて……
だから……とても、嬉しくて、つい……」

「…?」



ああ、もうゴウセルったら。
どうして首を傾げるのかしら。

鈍感さんなんだから。


でも全部全部教えてあげるのはちょっぴり恥ずかしく思えて、その事についてはそれ以上言わなかった。

だけど一応悲しんでいない事は伝えたくって、私は涙を拭って俯き気味にゴウセルを見上げると、目一杯の微笑みを浮かべた。



「…前にさ、私ゴウセルと手を合わせようとしたの、覚えてる?」



ふと何故かあの時の事を思い出して、覚えているかゴウセルに尋ねてみた。


そうしたらゴウセルは首をこてんと傾げて、オウム返しに私に尋ねる。



「手を合わせよう……と?」

「ほら!私が湖で滑って、全身ビショビショになった時!」

「………そんな事もあったな」



…本当に覚えているのかな?

でもゴウセルは嘘つく人じゃないから、きっと覚えているんだろう。

○あったかい○→←○バケモノではなく○



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*IJu*(プロフ) - フウさんさん» コメントありがとうございます〜!お気に召して頂けたようてま( ˇωˇ ) なるべく早く更新できるように頑張ります…! (2018年7月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
フウさん(プロフ) - すごく面白いです!!!早く続きみたいです!! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 68aa123671 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年1月23日 1時

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