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○バケモノではなく○ ページ21

「で、でも……私が嫌なの!
ゴウセルが…ゴウセルが、私みたいになっちゃうのは…嫌!!」



だが私は我に返ると、離してくれないゴウセルの腕の中で再びもがき始める。

でもゴウセルも頑固で、全然離してくれる気配もなくて。
腐った皮膚が所々ゴウセルに触れているのに、ゴウセルは平然としていた。



「だが、そうなるとは限らないだろう?」

「…そりゃあ……そう、だけど…」



……でも、可能性は0じゃない。

触れてしまえば移る可能性が増えてしまう。


私はゴウセルの腕の中でもがくのをやめて、お気に入りのワンピースの裾を強く握った。

視線を落として俯くと、ゴウセルは私を抱き締める力を強くして、私の頭に顔を寄せた。



……こんなに他人に近付いたのは、とっても…とっても、久しぶり。

こんな言葉をかけられるのは、本当に、本当に…初めて。


どうしてゴウセルは、こんなに近付いてくれるのだろうか。

どうしてゴウセルは、こんな言葉を掛けてくれるの?



「……ゴウセル、」

「どうした、A?」

「ゴウセルは……気持ち悪く思わないの?
私の、こんな姿を見て……」



問わずにはいられない。
別にそばにいてくれさえいれば、理由なんて気にならないのに。


でも聞いたのは私からなのに、尋ねた声は情けなくも震えていて、小さくて。
肩も声と同じようにふるふると震えていた。

そんな私を慰めてくれる為か、ゴウセルは私の頭をまた撫でてくれると、私の質問に答えてくれた。



「いいや、思わない」

「…本当?変わってる、とか…バケモノ、とか……そうも思わない?」

「いや、少し他者とは変わっている見た目だとは思った」

「だ…だよ、ね…….」



……流石に猊當稔瓩箸六廚錣譴覆い澆燭ぁ

当たり前だよね。だってこんな醜い姿。


そこはちょっとだけがっかりして、肩を落としてしまう。



でも『気持ち悪く思わない?』と聞いた時に『思わない』と答えてくれたのはとても嬉しかった。

今まで言われて来た事とは反対の事を言われたから、とっても嬉しかった。ホントだよ?



「だが、バケモノだとは思わない」



それだけでも嬉しかったのに。

充分だったのに。



「…どうして?」



優しいゴウセルは、まるで私の心を読み取ったかのように。

私がずっとずっと、待ち望んでいた言葉を口にした。



「Aは人間だからだ」

○嬉しくて○→←○どうして○



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*IJu*(プロフ) - フウさんさん» コメントありがとうございます〜!お気に召して頂けたようてま( ˇωˇ ) なるべく早く更新できるように頑張ります…! (2018年7月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
フウさん(プロフ) - すごく面白いです!!!早く続きみたいです!! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 68aa123671 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年1月23日 1時

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