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○いやだ○ ページ14

涙は止まる様子はなく、私は強く服の裾を握り締める。

こんな時に脳裏に浮かぶのは、ゴウセルとの楽しかった出来事。


ずっと1人だった私とずっと一緒にいてくれた、とってもとっても優しいゴウセル。


信じたくない。信じたくないよ。

あんな優しかったゴウセルが、こんなにも急にいなくなるなんて。



でも何度見てもベットの上は空っぽで。

私の心を満たしていたものが、少しずつ冷たくなっていく。



嫌だ、嫌だ。ゴウセルがいなくなるなんて。

また1人になるのは嫌だ。
また独りになるのは嫌だ。



もう、嫌なの。

1人で爐修了瓩鯊圓弔里蓮


気が狂ってしまいそうになる。



「…や、だ…」



ふらり、私は立ち上がる。

ベットを支えにして、震える足で立ち上がる。


その間もポロポロと涙が止まらない。

でも気にしてなんかいられない。
こんな事してる間に、ゴウセルが離れてしまう。



「いや、だ……!」



私は弾かれるように外へ飛び出すと、森の中を駆け抜ける。


いつもの慣れた道のはずなのに、何でだろう。
こんなにも不安に思うのは。

でも立ち止まってはいられない。

ゴウセルを、ゴウセルを探さなくちゃ!


まだきっと遠くには行ってないはず。
だから早く追いつかないと。



私は駆ける。裸足なのも気にせずに。

この時の私は必死だった。
ゴウセルを見つける事で精一杯だった。


追いついたその後の事なんて、何も考えてなんかいなかった。


ただ私は会いたかった。

ひと目でいいから、会いたかった。


心の何処かで幻なんじゃないかと思っていたから。



「っ…!ゴウセル!!」



少し進んだ所で私はとうとう彼を呼んだ。

暗い森に私の声はよく響いたけれど、すぐに返事は返って来なかった。


それがまた不安で不安で。

何度も、何度も私はゴウセルの名前を叫んだ。



「ゴウセル!!

ねぇ、いるんでしょゴウセル!?」



涙が、涙で視界がぼやける。

何度袖で拭っても、あとからどんどん流れて来る。



お願い、今だけ止まってよ。

わからないでしょ、ゴウセルがいても。
見えないでしょ、ゴウセルを見つけても。


ゴシゴシ、ゴシゴシ。擦り過ぎて目元が痛い。

でも涙は止まらなかった。
私の足も止められなかった。

○ゴウセル、ゴウセル○→←○消えたゴウセル○



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*IJu*(プロフ) - フウさんさん» コメントありがとうございます〜!お気に召して頂けたようてま( ˇωˇ ) なるべく早く更新できるように頑張ります…! (2018年7月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
フウさん(プロフ) - すごく面白いです!!!早く続きみたいです!! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 68aa123671 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年1月23日 1時

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