○傷付く姿なんて○ ページ12
「危ないよゴウセル!やめなよ!!」
私は慌ててゴウセルの元に駆け寄り、ゴウセルに言った。
てもゴウセルはどうしてか、きょとんとした顔をしてこてんと首を傾げた。
「Aはあの花が欲しくないのか?」
「そ、そりゃあ……綺麗だし、欲しいなって思うけど……でも、それでゴウセルが怪我をするのは嫌っ!!」
「大丈夫だ、俺は怪我をしない。
もし仮にしたとしても、以前魔物に襲われた傷の様にすぐ治る」
「だ、ダメだってば…!
ゴウセル、下りてよ!!危ないからっ!」
…どうやらゴウセルは本気みたい。
私が止めてもゴウセルはお花を取る気で崖に張り付く。
そんなゴウセルの服の裾を掴んで引っ張り、無理矢理にでも下ろそうとする。
どうしてなの、ゴウセル。お花には興味無かったんじゃないの?お花も好きだったの?
確かに私もお花は好き。それにあの青いお花はとっても綺麗。つい欲しいなんて思っちゃうくらい。
でもゴウセルはもっと好きだから。
ゴウセルにはいなくなってほしくない。
増してや崖から落ちて傷付く姿なんて、見たくない___!!
「心配するな、俺は大丈夫だ」
「私は大丈夫じゃないのっ!」
「何故だ?Aは登らないのだろう?」
「そうだけど…でも!でも、大丈夫じゃないのっ!
いいから、早く下りて…!危ない事しないで……!!」
尚も登ろうとするゴウセル。
だんだんと私もヤケになって、グイグイゴウセルの服を引っ張りながら懇願する。
するとゴウセルは不思議そうに私の顔を見つめた後、何やらまた考えるような素振りを見せると
スッと足を掛けていた岩肌から足を退けた。
「……了解、花は諦めよう」
その言葉を聞いて、どれだけ私が安心した事か。
思わずホッと息を吐いてから、冗談っぽく笑う。
「ビックリさせないでよ!」なんて言ったらゴウセルはまたこてんと首を傾げた。
「何故驚く?」
「だって、ゴウセルがいきなり崖に登ろうとするから…普通だったらお花の為にそんな事しないよ?」
「そうなのか?」
「…ふふっ、本当にゴウセルって面白いのね」
そしてきっと、優しい人なんだ。
だから今日のお散歩にも付き合ってくれて、昨日服も貸してくれたんだ。
お花を取ろうとしたのだって、きっと私を思っての事なんだろう。
ゴウセルは無愛想に見えるけど、きっと誰よりも優しいんだ。
……でもやっぱり、それで危ない事をするのは頂けないなぁ。
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*IJu*(プロフ) - フウさんさん» コメントありがとうございます〜!お気に召して頂けたようてま( ˇωˇ ) なるべく早く更新できるように頑張ります…! (2018年7月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
フウさん(プロフ) - すごく面白いです!!!早く続きみたいです!! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 68aa123671 (このIDを非表示/違反報告)
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