検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:33,865 hit

○傷付く姿なんて○ ページ12

「危ないよゴウセル!やめなよ!!」



私は慌ててゴウセルの元に駆け寄り、ゴウセルに言った。

てもゴウセルはどうしてか、きょとんとした顔をしてこてんと首を傾げた。



「Aはあの花が欲しくないのか?」

「そ、そりゃあ……綺麗だし、欲しいなって思うけど……でも、それでゴウセルが怪我をするのは嫌っ!!」

「大丈夫だ、俺は怪我をしない。
もし仮にしたとしても、以前魔物に襲われた傷の様にすぐ治る」

「だ、ダメだってば…!
ゴウセル、下りてよ!!危ないからっ!」



…どうやらゴウセルは本気みたい。

私が止めてもゴウセルはお花を取る気で崖に張り付く。


そんなゴウセルの服の裾を掴んで引っ張り、無理矢理にでも下ろそうとする。



どうしてなの、ゴウセル。お花には興味無かったんじゃないの?お花も好きだったの?

確かに私もお花は好き。それにあの青いお花はとっても綺麗。つい欲しいなんて思っちゃうくらい。


でもゴウセルはもっと好きだから。
ゴウセルにはいなくなってほしくない。


増してや崖から落ちて傷付く姿なんて、見たくない___!!



「心配するな、俺は大丈夫だ」

「私は大丈夫じゃないのっ!」

「何故だ?Aは登らないのだろう?」

「そうだけど…でも!でも、大丈夫じゃないのっ!

いいから、早く下りて…!危ない事しないで……!!」



尚も登ろうとするゴウセル。

だんだんと私もヤケになって、グイグイゴウセルの服を引っ張りながら懇願する。


するとゴウセルは不思議そうに私の顔を見つめた後、何やらまた考えるような素振りを見せると
スッと足を掛けていた岩肌から足を退けた。



「……了解、花は諦めよう」



その言葉を聞いて、どれだけ私が安心した事か。


思わずホッと息を吐いてから、冗談っぽく笑う。

「ビックリさせないでよ!」なんて言ったらゴウセルはまたこてんと首を傾げた。



「何故驚く?」

「だって、ゴウセルがいきなり崖に登ろうとするから…普通だったらお花の為にそんな事しないよ?」

「そうなのか?」

「…ふふっ、本当にゴウセルって面白いのね」



そしてきっと、優しい人なんだ。


だから今日のお散歩にも付き合ってくれて、昨日服も貸してくれたんだ。

お花を取ろうとしたのだって、きっと私を思っての事なんだろう。
ゴウセルは無愛想に見えるけど、きっと誰よりも優しいんだ。



……でもやっぱり、それで危ない事をするのは頂けないなぁ。

○消えたゴウセル○→←○青い花○



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:ゴウセル , 七つの大罪
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*IJu*(プロフ) - フウさんさん» コメントありがとうございます〜!お気に召して頂けたようてま( ˇωˇ ) なるべく早く更新できるように頑張ります…! (2018年7月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
フウさん(プロフ) - すごく面白いです!!!早く続きみたいです!! (2018年7月22日 10時) (レス) id: 68aa123671 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年1月23日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。