焼き付けたのです ページ30
陣君とのいざこざの後、結局は不動さん達について行く事になりました。
勝利です。大勝利なのです。
瞬木君、ありがとうございます。
今度何かあげましょう。
「…と、言うことは、
不動さん達は服を買いに来たんですね？」
「ああ、そーだよ」
「とりあえず、不動さんはそろそろジャージを卒業したらどうでしょう？」
「余計なお世話だっつーの」
不動さんに今日の予定を聞いて、少しだけからかってみる。
相変わらずその返答は“あの人”に似ていて、少しだけ嬉しくなる。
「鬼道さんと佐久間さんは…以外とラフな格好なのですね」
そして気になっていた事を言ってみると、2人は顔を見合わせて苦笑する。
今日は2人とも私服みたいで、不動さんとまでは行きませんが、男性らしいラフな格好に身を包んでいた。
最初見た時、ちょっと驚いてしまいました。
「普段はスーツでしたので、何だか新鮮です」
「まぁ、学校ぐらいでしか皆会わないもんな。
部活もあるから、私服なんて着る機会あんまり無いし」
「つーか学校でも私服で来りゃいーじゃん」
「お前じゃないんだから…」
「ジャージ馬鹿にすんなよ」
不動さんはぶっきらぼうにそう言って、ジャージのポケットに手を突っ込んだ。
その様子を見て佐久間さんはクスクスと笑う。
…結構、ジャージを気に入ってるみたいですね。
「…」
「…陣君？」
ふと陣君を見ると、彼は不貞腐れた様な表情で俯き黙り込んでいた。
その隣の瞬木君と目が合い、彼は溜息を吐くといつものしかめっ面で陣君を親指で指差す。
…まだ、怒っているのでしょうか。
私は陣君の隣に行き、顔を覗き込む。
「…陣君？」
「…」
声を掛けてみますが、案の定反応はありません。
それでも私は声を掛け続けてみる。
「まだ、怒っているんですか？」
「…」
「…それとも、機嫌が悪いんですか？」
「…」
「陣君、何か言って下さい」
「…」
何を言っても、返事を返してはくれません。
それでもまだ話し掛けようと口を開きかけた瞬間、瞬木君が黙って首を横に振った。
「すみません、俺達用事思い出したんで帰ります」
「えっ…！？」
そして急に何を言い出すのか、瞬木君は不動さん達に向かってそう言うと、私と真名部君の手を引いて踵を返した。
私はいきなりの事で何も言えず、
最後に振り返って、不動さんの驚いた表情を目に焼き付けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
修季(プロフ) - ＊IJu＊さん» あ、やっぱり← 私ね、とある授業で空見てたら先生に「好きな子でも出来たかい？」って言われて吹いた。 (2015年8月9日 23時) (
レス) id: e03a3511de (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 修季さん» あ、ごめんもうダメだ僕(´･ω･`)← 既にやってる常習犯(´･ω･`)←← (2015年8月9日 0時) (レス) id: 4f6a541d49 (このIDを非表示/違反報告)
修季(プロフ) - ＊IJu＊さん» 授業中は寝てるか妄想してるかのどっちかだからw ※良い子は真似してはいけません。良い子じゃなければ真似していいよ★ (2015年8月6日 17時) (レス) id: e03a3511de (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 修季さん» マジか羨ましい(´･ω･`) 仕方ない、寝るのは仕方ないよ← (2015年8月6日 11時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
修季(プロフ) - ＊IJu＊さん» でも、私頭良いほうなんだよ(笑) どうも、地学と化学が難点だけど…… でも、授業中寝てるから内申点やばい←← (2015年7月29日 8時) (レス) id: e03a3511de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
