彼女のワガママです。 ページ28
鬼道さんと佐久間さんが待ち合わせ場所に来ても尚不動さんと楽しげに話すAの様子を見て、モヤモヤとしたものが心の中を支配した。
この気持ちが何なのかは、すぐにわかりました。
嫉妬してるんです、不動さんに。
Aは普段無表情で、滅多にその表情を崩すことはありません。
彼女は心を開いた人にしか表情を見せないのです。
先程から不動さんと会話しているAを見ていると、
彼女はコロコロと表情を変えて、会話を楽しんでいるように見えます。
…こんなにも表情を変えるAを見るのは“久し振り”です。
彼女と11年の付き合いの僕ですら、あんなにも表情を変える事はないのに。
だから、そんなAの様子を見て、僕は妬いているのです。
悔しいんですよ、何だか。
フラれたくせに。
このままでは、Aは不動さんの方に行ってしまうのではないだろうか
僕のそばから離れてしまうのではないだろうか
なんて考えて、焦ってしまうのです。
「A、行きますよ」
だからでしょうか、
つい、口調が厳しくなってしまうのは。
「…はい？」
Aは僕の言葉に小首を傾げて、目を丸くする。
それは聞いていなかったのか、とぼけているのか。
「鬼道さん達が来たので、もう僕達が此処に留まる理由は無くなりました。
これ以上は邪魔になってしまうので、僕達は僕達でまた行動しましょう」
「……」
僕の説明にAは眉を八の字に下げ、不動さんを見上げる。
不動さんはその瞳を見て溜息を吐くと、困ったように頭を掻いた。
「…俺にどうして欲しいワケ？」
「別に、特に期待はしていません。
…あ、でも出来れば私達も不動さんと一緒に買い物したいな、とは思いますが」
「ハァ…？一緒に？」
不動さんは彼女の言葉に眉を顰めた。
始まりました、彼女のワガママが。
彼女は何でもハッキリ物を言い、そして自分の意見を貫き通す人です。
その性格は良いと思うのですが、
彼女の場合、それは時にワガママと化して人を困らせてしまうのです。
「A、ダメですよ。
不動さん達に迷惑がかかりますよ」
僕はそんなAを
するとAはムッとした表情で此方を見てから、少し悲しそうな表情で俯いた。
…何故、
何故、そんな表情をするのです。
何故、不動さんなのです。
何故…僕じゃないんです。
こんなにも、Aの事が好きなのに。
どうしてわかってくれないんですか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 87人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
修季(プロフ) - ＊IJu＊さん» あ、やっぱり← 私ね、とある授業で空見てたら先生に「好きな子でも出来たかい？」って言われて吹いた。 (2015年8月9日 23時) (
レス) id: e03a3511de (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 修季さん» あ、ごめんもうダメだ僕(´･ω･`)← 既にやってる常習犯(´･ω･`)←← (2015年8月9日 0時) (レス) id: 4f6a541d49 (このIDを非表示/違反報告)
修季(プロフ) - ＊IJu＊さん» 授業中は寝てるか妄想してるかのどっちかだからw ※良い子は真似してはいけません。良い子じゃなければ真似していいよ★ (2015年8月6日 17時) (レス) id: e03a3511de (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 修季さん» マジか羨ましい(´･ω･`) 仕方ない、寝るのは仕方ないよ← (2015年8月6日 11時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
修季(プロフ) - ＊IJu＊さん» でも、私頭良いほうなんだよ(笑) どうも、地学と化学が難点だけど…… でも、授業中寝てるから内申点やばい←← (2015年7月29日 8時) (レス) id: e03a3511de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
