キミとつくった花冠は【ゴウセル】 3輪目

○可愛さが足りない○ ページ49

雪だるまの顔が無い、との事なので俺達は1度家に戻ると雪だるまの顔になりそうなものを探した。


鼻は人参、帽子はバケツ
顔とボタンは落ちていた木の実や石で代用する事に。

雪だるまの顔のパーツを全てバケツに入れて雪だるまの前に戻ると、俺はまず人参を手に取った。



「どこら辺に刺せばいい？」

「お鼻になるからー、お顔の真ん中！」

「了解」

「ちゃんと刺してね？でないとすぐポロッて落ちちゃうから」



一応Aに尋ねてから、彼女の言う通り顔の中心にロックオン。

見事に人参はｻｸｯと定めた場所に刺さり、Aも何処か満足げに微笑んだ。



「次は顔か…」

「可愛くしてね！」

「可愛く…？」

「そうそう！あとにっこりスマイルにして！」

「…了解」



可愛く、がよくわからなかったがとりあえず頷くと
俺はバケツから幾つか小石を取り出して、それらを雪だるまの顔になるように埋めた。


目は2つ、口には5つ
あとボタンに見えるように胴体にも…



「だめだめ、ゴウセル！」



丁寧に置いていっていたのだが、どうやら彼女のお気に召さなかったようだ。


Aは首を横に振ると「違うよ〜」と苦笑して眉を下げる。



…何が違うのだろうか。



「可愛くないよ、ゴウセル！」

「可愛くない…？」

「そうそう。もっと可愛くしてほしいな」

「…可愛いとは？」

「うっ…そう言われると説明出来ない…」



説明が無いと俺もわからない。



Aはうんうん唸って「可愛い」について必死に説明しようとするが
どうやら上手い言葉が見つからないらしく、彼女は眉を顰めた。


そんな彼女に説明されるのを黙って俺は待っていたら
Aはふとこんな事を言い出した。





「うーー…わかんないから自分でやるぅ！！」

○実は○→←○雪玉○

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