○かまくら○ ページ47
倉庫からスコップを引っ張り出して来ると、Aを窓際の縁に座らせて、かまくら作りを開始した。
まずはスコップで雪を集め、それをひたすら積んで山を作っていく。
高さは2〜3m程。
少し大きめにした方がAも喜ぶだろう。
雪山を作ったら今度はそれをスコップで叩いて固める。
これを怠るとすぐに壊れてAが埋もれてしまうので、満遍なく、しっかりと固める。
それが終わればいよいよその山を掘り、中にスペースを作る。
これがなかなか大変で、1番時間が掛かった。
掘り過ぎると崩れてしまうかもしれないので、慎重に作業を進めて。
そうして約数時間、ようやくかまくらが完成すると
俺は窓の縁に座るAに声を掛けて、彼女に見せてやった。
「じゃじゃーん」
「うわぁ…!!完成したの、ゴウセル?」
するとAは途端に目を輝かせて、俺の作ったかまくらを見つめる。
彼女は俺がかまくらを作っている間、周りの景色を眺めたり、俺が作業している姿をただひたすら眺めていた。
きっと退屈だっただろう。
「入りたい入りたい!!」
「わかった、今いれてやろう」
その身をズイッと乗り出してかまくらに釘付けになるAを、俺はいつものように抱き上げると、出来上がったかまくらの中に入った。
かまくらの中は暖かいらしく、入った瞬間Aは「あったかい!」とまた感嘆の声をあげる。
その声は中で少しだけトンネルのように響き、Aはそれを面白がって意味もなく叫びまくった。
「ふふっ、面白い…!声が響くよ、ゴウセル!!」
「面白い…のか?」
「うん!何だか山彦みたい!」
「ボリューム大分違うけど」とAは付け足すと再び大きな声をかまくら内に響かせた。
そんな彼女を下に下ろそうとしたが
ふと下に何も敷かれていない事に気付く。
このまま座ったらAの服がびちゃびちゃに濡れ、彼女が風邪を引いてしまう。
そう思った俺はAを抱いたまま1度かまくらから出
何か敷くものは無いかと倉庫の方へ向かった。
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パセリン(プロフ) - *IJu*さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます!早速直しました! いつも見に来て下さってありがとうです… |゚Д゚))) 更新頑張りますっ!! (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー! 毎回更新されるのを楽しみにしています!頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます!更新頑張りますっ(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - *IJu*さん» はい!!更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
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