○ルーデンは?○ ページ45
次の日、家の周りには昨日とは打って変わって一面銀世界が広がっていた。
森も雪で真っ白に染まり、陽の光に反射してキラキラと輝く。
Aは外を見てすぐ大喜びすると、すぐに外に飛び出そうと目で訴えて来たが
そんな彼女をAを宥めて、冷めてしまう前に朝食を食べる事を勧めてやった。
すると彼女は渋々と言った様子で俺に従い、素直に俺に椅子まで運ばれた。
「雪溶けちゃう〜!早く遊びたいよ〜!!」
彼女は外の雪が気になるようで、頻りに窓の外を眺めては体を微かに揺らしてうずうずしていた。
そんな彼女の口元にちぎったパンを持ってってやると、彼女は1度顔を窓からそらしてパクリとそれを食べ、また窓の方を眺めた。
「心配するな、短時間で雪は溶けないぞ」
「うぅ〜、知ってるよ〜!
でも早く遊びたいから……」
どうやら彼女は雪で遊ぶのがよほど楽しみらしい。
何でもこの辺で雪が降るのは珍しい事なんだとか。
言われてみれば、確かに去年は降らなかったような。
「…あれ、ルーデンは?」
ふとAはキョトンとした顔をすると、俺の方を見て首を傾げた。
そう言えば彼の姿を今日は見ていない。
いつもならとっくに来ている時間なのだが。
雪が積もっていて、馬車で来るのが困難なのだろうか?
「もう帰っちゃったの…?」
「いいや、今日はまだ来ていない」
「ありゃ、そうなの?じゃあ、今日来ないのかな?」
「どうだろうな」
「うぅ…せっかく一緒に遊べると思ったんだけどなぁ……」
Aはがくんと肩を落とすと「残念…」と呟いて、長い溜息を吐いた。
でも珍しいな、ルーデンも。
今まで毎日欠かさず来ていたというのに。
何かあったのだろうか?
それとも、やはり雪が原因か…?
「あっ!でも夕方は来るよね?
それまで雪は残ってるかなぁ…?」
「…どうだろうな。
Aの要望を全て通したら、無くなってしまうかもしれない」
「えっ!?無くなっちゃうの!?
うぅーー、じゃあ雪のお城作るのはやめる……」
別の意味でまたガクッと肩を落とし、非常に残念そうにそう呟く彼女の頭を撫でてやると
俺はスプーンでスープを掬い、少し冷ましてから彼女の口元に持ってってやった。
……果たしてルーデンは来るのだろうか。
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パセリン(プロフ) - *IJu*さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます!早速直しました! いつも見に来て下さってありがとうです… |゚Д゚))) 更新頑張りますっ!! (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー! 毎回更新されるのを楽しみにしています!頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます!更新頑張りますっ(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - *IJu*さん» はい!!更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
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