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○雪○ ページ44

「ゴウセル、見てみて!雪だよ!!」



数日後、この日は彼女と人形遊びをしていると
ふとAは窓の方を見てからそう叫んだ。

なので俺も顔を上げて見てみると、灰色の曇り空から白くふわふわしたものが降っていた。


遂に雪が振り始めたか…道理で此処最近冷え込んでいるわけだ。

最近のAは毛布をずっと被りっぱなしだった。
この家には暖炉などの暖を取る所が台所ぐらいしかないからな。



「ゴウセル、ゴウセル!」

「ああ、わかってる」



キラキラ輝いた瞳で俺を見つめるAを宥めると、俺は毛布ごと彼女を抱き上げて窓際の方へ向かった。

窓の前に立つとAはズイッと顔を窓に近付けて、やはりキラキラした瞳で窓の外の景色を眺めた。



「すごいすごい!降ってる!!」

「ああ、降ってるな」

「ルーデンが来る頃には積もるかな…?」

「それは無いだろう」

「じゃあじゃあ、明日はどうかな?」

「この勢いのまま降り続ければ積もるだろう」

「やったぁ!!」



Aはバンザイしそうな勢いで喜ぶと、窓から顔を離し、俺の方を見て満面の笑みを浮かべる。


久しぶりに見たその無邪気な笑顔に、俺は少しだけ胸が軽くなったような気がした。



「ねぇ、ゴウセル!」

「何だ?」

「雪が積もったらさ、雪だるま作ろうよ!大きいの!バケツ頭に被せて、人参お鼻にして!」

「ああ、良いだろう」

「あとね、雪うさぎも作ろう?可愛い雪うさぎさん!」

「ああ、作ろう」

「あとねあとね、私かまくらに入ってみたいんだ〜!」

「作ってやろう」

「えーと、えーと、他にもね、雪で作りたいものがあって…」



Aは終始笑顔で次々と雪で作りたいものを述べ、俺はそれに頷き続けた。

流石にかき氷は却下したが。


それにしても彼女は随分と雪で作りたいものがあるらしい。
本当に次から次へと、ポンポン出て来る。



「ふふふっ、あと他にもね〜…」



楽しそうなAの要望を聞きながら、俺は窓の方に目をやって舞い落ちる雪を見つめた。



……この辺の雪だけで足りるだろうか

○ルーデンは?○→←○彼がいたなら○



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パセリン(プロフ) - *IJu*さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます!早速直しました! いつも見に来て下さってありがとうです… |゚Д゚))) 更新頑張りますっ!! (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー!   毎回更新されるのを楽しみにしています!頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます!更新頑張りますっ(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - *IJu*さん» はい!!更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年3月7日 1時

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