○彼の心配事○ ページ42
ルーデンはおもむろに彼女の方に手を伸ばすと
そっと、割れ物でも扱うかのように優しく、Aの頭の上に手を置いた。
そのままゆっくりと彼女の長い金髪を撫でながら、ルーデンは微笑む。
「…何故だ？」
「だって、ゴウセルさんがいなかったら、きっと彼女は1人だった。
ずっと、死ぬまで独りだったから」
…確かに、そうだったかもしれない。
俺の怪我を治してくれなければ、こうして一緒に生活していないのだし。
もし彼女が俺と出会っていなければ、彼女は今もきっと1人この家で過ごしていた事だろう。
いや…それもどうだろうか。
腐敗病が進み、現在彼女は足と腕が動かない状態。
つまり、人の助けが無いと生きていけない体になってしまっている。
そんな状態でもし、俺がいなかったら
彼女は果たして今も生きているのだろうか。
「俺…心配だったんです。
彼女は今誰といて、どんな風に暮らしてるのか。
寂しい思いをしてないか、悲しい思いをしてないか……いっつも、そればっかり気になっちゃって」
「なら、直接会えば良かったじゃないか」
「…それが出来たら、きっと俺はゴウセルさんよりも先に彼女と住んでましたよ」
ルーデンは苦々しい笑みを浮かべると、途端に表情を無くして彼女を見つめ、深い溜息を吐いた。
そしておもむろに口を開いて、話を続けた。
「Aが死神病だって事は、村中が知っています。
そしてその死神病は、うちの村では触れると移ると考えている人が大半です。
だから、うちの村では触れる事はおろか、彼女に近付くだけでも、村人に避けられてしまうんです」
「最低ですよね」とルーデンは続けると、頭を撫でていた手を彼女の頬に移し、そっと親指で彼女を頬を撫でる。
するとAの口元が微かに綻び、ルーデンは目を細めた。
「つまり、彼女に近付かなかったのは、周りの反応を恐れて…か？」
「そうですよ。俺もその最低の1人なんです。
どうか嗤ってやって下さい」
「わはははは」
「…笑い方さえ棒読みなんですか」
わらってくれと言われたから、わらってやったまでなのだが。
ルーデンは俺を見て苦笑すると、再び視線をAの方に戻して俯いた。
Aは相変わらず眠っているが
その表情はいつもより幾分か穏やかな気がした。
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パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (
レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます！早速直しました！ いつも見に来て下さってありがとうです… |ﾟДﾟ))) 更新頑張りますっ！！ (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー！ 毎回更新されるのを楽しみにしています！頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます！更新頑張りますっ(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» はい！！更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
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