○日常と現実○ ページ38
「ふふっ、ふふふっ」
それからはまたいつも通りに夕飯を食べ、寝る支度を整えてベッドに潜る。
ただいつもと違う事は、Aがうつ伏せに寝転がりながら1人で笑っている所だ。
「…どうしたんだ、A？」
気になって彼女に尋ねると
Aはﾆｺﾆｺと実に幸せそうに笑いながら、答えてくれた。
「だって〜、明日もルーデンが来てくれるんだよ？
これが落ち着いていられますか！」
「落ち着け」
「うぐっ」
ｷﾗｷﾗと目を輝かせる彼女の頭に手を乗せてやると、Aは枕に顔を埋めたまま固まった。
そして次に顔が見えた時には、彼女は頬をほんのりと赤く染めて、やはり心から嬉しそうに笑う。
「…明日寝坊しちゃったらどうしようかな？」
「俺が起こしてやろう」
「変だったらどうしよう？」
「俺は自然なAが好きだ」
「嫌われたり…しないよね？」
「その時は俺が慰めてやろう」
「もー、ゴウセルったらー！！」
「そこは否定してよ！」とAは頬を膨らませ、怒っているような顔をする。
しかし全く怖くない。
寧ろ彼女の柔らかいほっぺをつついてやるぞ、わはははは。
「…っ…うっ…」
「…？」
そうやってぷにぷにと彼女の膨らんだ頬をつついていたら
急に彼女は眉を顰めて、苦しそうに呼吸を荒らげた。
唐突の事だったのでどうしたのかはわからなかったが
とりあえずうつ伏せだった彼女を仰向けに寝かせて、呼吸しやすいようにしてやった。
そして彼女の手を握り、俺は尋ねた。
「どうしたA？何処か痛いのか？苦しいのか？」
「うっ…あ…く、る…し…」
「何処がだ？何処が苦しいんだ？」
「っ…」
彼女の苦しむ顔を見たくなくて
これ以上苦しんでほしくなくて
俺は必死に彼女の尋ねると
Aは苦しそうに呼吸をしながらも、声を絞り出して答えた。
「む…」
「む？」
「む…ね……しんぞ、う……が…くる、し……」
「心…臓？」
そう言うとAはまた浅い呼吸を繰り返し
俺は彼女のその言葉を聞いた瞬間、何故か何も考えられなくなってしまった。
…心臓。
人間が生きていく上で必要な臓器。
この臓器の動きが止まってしまったら、それはその人間にとって『死』を意味する。
…『死』を意味する。
「…」
苦しむ彼女にどうもしてやれない俺は
せめて少しでも心が安らぐ様にと、彼女の背中にそっと手を回して抱きしめた。
……ああ、また手が震えてきた。
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パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (
レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます！早速直しました！ いつも見に来て下さってありがとうです… |ﾟДﾟ))) 更新頑張りますっ！！ (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー！ 毎回更新されるのを楽しみにしています！頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます！更新頑張りますっ(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» はい！！更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
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