○夢か現実か○ ページ33
「ところで、ルーデンの何について考えていたんだ？」
「だっ、だからルーデンじゃないってば…！」
少し話がそれてしまったので戻すと、Aは最初首を横に振って否定したが
やがて観念したのか黙り込んでしまい、じっと俺の方を見つめた。
「…夢じゃ、ないのかなって」
「夢…？」
そしてポツリと零すように微かにそう言って、苦笑する。
しかしその言葉の意味がよくわからず、俺は首を傾げた。
…一体どういう事だろうか？
「ルーデンにまた会えただけでも奇跡なのに…
それなのに、今度はちょくちょく様子を見に来てくれるだなんて…
こんな都合の良い展開……まるで本の世界みたいで…
何だか、現実って感じがしなくって…ふわふわしてて……」
消えそうな口調で語るAは、それでも心の底から嬉しいのか微笑みは柔らかく、それでいて何処か満ち足りた顔をしていた。
こんな表情、見た事が無かった俺は暫くその顔を見つめていたが
ふとおもむろに手を伸ばして、彼女の頬に指を当てる。
「ゴウセル…？」
「…」
そしてそのまま彼女の頬を人差し指と親指で摘み
次の瞬間、思いっ切り抓ってみた。
「いたたたたっ！？」
当然Aは痛みを感じるようで痛みに顔を歪めるとｼﾞﾀﾊﾞﾀと手を振り回して悶えた。
なのですぐに手を離すと、Aは抓られた頬を摩りながら怒った顔をする。
「も、もうっ！！いきなり何をするの、ゴウセル？
すっごく今の痛かった……」
「なら、夢じゃないんだな」
「え……？」
意味がよくわからないのか首を傾げる彼女の頬を撫でながら、俺は教えてやることにする。
「お前は先程、夢なのではないかと言っていた。
夢の中では痛みは感じない…と、本に書いてあったので、確かめたたけだ」
「…」
するとAは目を丸く見張り、キョトンとした表情で俺を見つめていたが
やがて頬を綻ばせると視線を落とし、そしてｸｽﾘと笑った。
「先程、Aは痛みを感じた」
「…うん」
「つまり、これは現実だ」
「……うん」
そして嬉しそうに頷いてみせると
Aは顔をあげて、「ありがとう」と微笑んだ。
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パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (
レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます！早速直しました！ いつも見に来て下さってありがとうです… |ﾟДﾟ))) 更新頑張りますっ！！ (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー！ 毎回更新されるのを楽しみにしています！頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます！更新頑張りますっ(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» はい！！更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
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