○心配性な彼○ ページ28
「………」
ルーデンはAの言葉に目を細め、明らかに疑いの眼差しをこちら向けた。
そんな彼をじっと、懇願するかのような瞳でAは見つめ続ける。
するとルーデンはﾊｧ、と溜息を吐き出し
そしてAの瞳を真っ直ぐ見つめながら、口を開いた。
「……本当に、大丈夫なの？」
「大丈夫だよ？」
「でも、またやったらどうする？」
「そんな事絶対にしないよ。だってゴウセルだもん」
「…何で、そんなに信用出来るの？」
だんだんと眼光がまた鋭くなっていき、ルーデンは聞いたことがないような低い声で唸ると、彼は俺を指差しながら続けた。
「ソイツは大罪人だぞ？
王国転覆の容疑が掛かった、大悪党。
また何かされたらどうするの？」
…どうやら俺は奴にとことん嫌われてしまったらしい。
そこまで疑わなくても、彼女と彼女の身の回りの者達の記憶は金輪際、決していじらないのに。
「ふふっ…ルーデンさんったら」
俺を疑い続けるルーデンにAはｸｽﾘと笑顔を浮かべると、ﾆｺｯと柔らかく微笑みを浮かべた。
その瞬間、ルーデンの頬がほんのり紅色に染まる。
「大丈夫だよ、ルーデンさん。
ゴウセルはね、優しくて素敵な人なの。
それにね、ゴウセルは約束を絶ーーーっ対に破らない人なの！
だからね、大丈夫！！」
「……」
Aは笑顔を浮かべたままそう話すと、ルーデンは視線を落として眉を顰め、黙り込んでしまう。
だがまたゆっくり顔を上げると、ルーデンは今度は眉をハの字に下げて情けない表情を浮かべ、ポツリと告げた。
「………本当に？」
「本当っ！」
そんなルーデンに向けて彼女はｸｽｯと笑いながらそう答えると、Aは俺に指示を出して彼に近付き、彼に向けて手を伸ばした。
その手には彼女が一生懸命作った花冠が握られ、ソレは弱々しくも確かにルーデンの頭の上に置かれた。
途端にルーデンは目を見開いて彼女を見つめる。
「心配してくれてありがとう、ルーデンさん。
これは今までの御礼、だよ」
「……あ、りがとう…」
Aは俺の大好きな笑顔をルーデンに向けて浮かべながらそう言うと、ルーデンは頬を赤く染めながら目をそらし、照れくさそうに呟いた。
その後、俺達は店を出る事になり、ルーデンに見送られながら本屋を後にした。
去り際に「また来るね、ルーデン！」とAは彼に向かって小さく、小さく手を振りながら。
「………A………」
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パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (
レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます！早速直しました！ いつも見に来て下さってありがとうです… |ﾟДﾟ))) 更新頑張りますっ！！ (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー！ 毎回更新されるのを楽しみにしています！頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます！更新頑張りますっ(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ＊IJu＊さん» はい！！更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
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