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○彼の元へ○ ページ26

ルーデンの本屋に着くと、Aは本屋を見上げて息を吐く。

その表情は何処か憂いに満ちていて
その瞳は物悲しそうで。



「…ルーデン、いるかな?」

「いるだろう、ヤツはいつも此処にいる」



作った花冠に手を添えて不安気に呟く彼女にそう答えてやると、彼女は「そうだよね」と微笑んで、花冠を目をやった。



「ちゃんと記憶、戻してあげるんだよ?」

「……」

「返事!」

「…了解」

「本当かなぁ……?」



渋々返事を返すとAは俺の顔を訝しげに覗き込み、そしてクスッと笑う。



…ちゃんと戻してやる。

Aに怒られるのは嫌だからな。



「…行くぞ」

「うん」



少しの間互いに黙り込むと、俺は彼女に声を掛けてから、本屋の中に足を踏み入れた。



−−−



中は相変わらず本がずらりと並んでいて、カウンターの前には囁かな手作りのアクセサリーがキラキラと輝いていた。


いつもならすぐに本棚の前に向かって本を物色する所だが

今回は真っ直ぐ無人のカウンターに向かうと、店員を呼ぶベルを鳴らした。



「はい!今行きますっ!!」



直後にハキハキとした少年の声が奥から聞こえ、Aは微かに縮こまる。

そして奥の方をじっと凝視し、彼がやって来るのを待ち侘びた。



「お待たせしました…!」



少しすると目的であるルーデン本人がやって来て
彼はへらりと笑いながらカウンター越しに俺達の向かいに立ち、ニコッと愛想の良い笑顔を浮かべた。



「どうかなさいましたか?」

「…えー、と……」



そしてルーデンは俺達にそう尋ねると、Aは困ったように笑って俺を見つめた。

ルーデンも不思議に思っているようで、少し首を傾げながら俺達を見つめる。



「お客様…?」

「…ゴウセル」

「了解」



彼女に呼ばれたのを合図に俺はルーデンに向けて指先を向けると


奴の頭に、光の矢を放った。

○許してあげて○→←○怒ってないよ○



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パセリン(プロフ) - *IJu*さん» (*^^*) (2016年7月21日 1時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ご指摘ありがとうございます!早速直しました! いつも見に来て下さってありがとうです… |゚Д゚))) 更新頑張りますっ!! (2016年7月21日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - ゴウセルの台詞が、「ああ、降ってるな」が、「ああ、振ってるな」になってますよー!   毎回更新されるのを楽しみにしています!頑張って下さい(*^^*) (2016年7月21日 0時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - パセリンさん» ありがとうございます!更新頑張りますっ(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年5月9日 23時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
パセリン(プロフ) - *IJu*さん» はい!!更新楽しみにしてますね♪頑張って下さい(*^-^*) (2016年4月30日 17時) (レス) id: 9b51e61c30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年3月7日 1時

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