彼女の傍聴 ページ36
『…おい、エスタロッサ。ケツから言っていいのか？』
『…』
『どうもさっきから妙な視線を感じる。
おそらくはメリオダスの一派の可能性が高いがこのまま放っといていいのか？＿＿＿ということだな？』
『ん』
「ババ…バレてる！！？」
しかもアイツら、僕達の事がわかっているらしい。
流石、〈十戒〉ってところか畜生。
『〈七つの大罪〉…メリオダスの新しい…仲間』
『新しい仲間………ねぇ』
ふと、団長を踏み付けてた大男が団長の上の足を避けた。
そうしておもむろに片手を伸ばす。
その手は団長の首を掴んだ。
これ以上、目の前で痛め付けられるのかと思うと、リラを抱き締める腕に力が込もる。
だがヤツはﾆﾀﾆﾀと不気味に笑い出すと、団長の首を乱暴に締めながらこんな事を口にした。
『＿＿＿今度はいつ裏切るんだ？
〈十戒〉の統率者だったお前が俺らを見捨てた時みてぇに…』
「…………え？」
……意味が分からなかった。
いや、頭がソレを聞き入れる事を拒んだ。
まるで昔、団長がやったみたいな口振りで。
団長がそんな事するワケないじゃん。
だって団長は、誰よりも仲間を優先するようなクソ優しい男だぞ？
こんな僕を受け入れてくれたヤツだぞ…？
………何かの間違いだろ。
『あの頃のお前の強さ…非情さは凄まじかったなぁ。
〈十戒〉ですら手をこまねいていた女神族もお前を畏れ、決して近づこうとしなかった。
誰もがお前こそ次代の魔神王にふさわしいと認めていたよ。
…俺の憧れでもあった』
長々と何やら語りながら、大男は団長の首をゆっくりと持ち上げる。
団長は先程とはまた違う、息の詰まった苦しそうな呻き声を微かにあげていた。
『…だが、お前は突如俺たちを裏切ると魔界を滅茶苦茶に破壊し姿を消した。
居合わせた〈十戒〉二人を惨殺してな。
ドロールとグロキシニア。
あいつらが後に入るまで〈十戒〉には二つの空席があった』
首の締まる、音がする。
ゆっくり確実に、団長を苦しめる音が。
でも団長は暴れるどころかもがきもしない。
ただ宙ぶらりんに持ち上げられたままだ。
きっと抵抗する力が無いんだ。
それでもその大男は続けた。
『…それまで保たれていた魔神族と女神族の均衡は見事に崩れ＿＿＿
…三千年前の戦争はお前が始めたんだよ』
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＊IJu＊(プロフ) - しらすさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )更新、頑張ります〜！ (2020年4月7日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 文章が上手くて読みやすいです。更新頑張ってください！期待しています！ (2020年4月6日 0時) (レス) id: 6cdd349fb5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - フリースラさん» コメントありがとうございます！ノロノロ更新ですが頑張ります〜！ (2020年3月7日 0時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
フリースラ - 続き楽しみにしてます (2020年3月6日 21時) (レス) id: d392d98f0d (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - たこクラゲさん» コメントありがとうございます〜！ゴウセル推してるんですね！ゴウセルはいいぞ……()楽しんで頂けたようで良かったです(*´∀｀) (2019年6月25日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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