彼女の目撃 ページ30
「だが…くそ！！メラスキュラ…この女はまだ生きてやがった」
バンは苦々しい表情を浮かべてとある〈十戒〉を見遣る。
ソイツは全身真っ黒に焦げていて、ﾊﾟｯと見男か女かもわからない姿だった。
バンの口振りから察するにエスカノールはこの…女？も相手にしてたようだが……
「ああ…だから私、まだ此処にいるのね」
「…えっ？」
その女が水晶に映ると、不意にリラはそう呟いて目を細めた。
その言葉に僕は振り向くと、リラは苦々しい表情を浮かべたまま続けた。
「A、私が蘇ったのはあの〈十戒〉の力なの。
……あと、そこの妖精さんもね」
「妖精…？」
「……」
「エレイン…」
言われてリラの視線の先を見遣ると、そこには金髪の妖精が1人。
どうやら彼女もリラと同じく、〈十戒〉によって蘇ったヤツらしい。
彼女もリラと同じような顔をして俯き、バンがそんな彼女の頬を撫でた。
「お願い！！メリオダス様をここに瞬間移動させて！！」
〈十戒〉に囲まれた団長を見て、王女さんはギルなんちゃらにそう頼み込んだ。
でもギルなんちゃらは険しい顔をしながら首を横に振って即答した。
「私には不可能です！
まず私があの場に行き、彼を連れ帰るしか方法はありません…だが〈十戒〉にそれを許す隙は…ない！！」
「…A様っ…！」
「…悪い、ソイツの言う通りだ。
連れ出すには術者が向こうに行かなきゃいけない。
でもあの状態じゃ、足を踏み入れた瞬間死ぬね」
「『
「…！！」
そうこうしているうちに水晶の向こうでは戦いが始まっていた。
団長と向き合う、もう1人の少年。
彼は団長と瓜二つの顔立ちをして、団長の額と似たような紋様を浮かべていた。
団長が目の前のヤツに斬り掛かる。
その斬撃は軌道が殆ど見えないスピードだ。
しかし瞬きをした次の瞬間に見た光景は
剣を持っていた左腕を失った団長と
その左腕を片手に、自身の剣の持ち手に指を添える〈十戒〉の姿だった。
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＊IJu＊(プロフ) - しらすさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )更新、頑張ります〜！ (2020年4月7日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 文章が上手くて読みやすいです。更新頑張ってください！期待しています！ (2020年4月6日 0時) (レス) id: 6cdd349fb5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - フリースラさん» コメントありがとうございます！ノロノロ更新ですが頑張ります〜！ (2020年3月7日 0時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
フリースラ - 続き楽しみにしてます (2020年3月6日 21時) (レス) id: d392d98f0d (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - たこクラゲさん» コメントありがとうございます〜！ゴウセル推してるんですね！ゴウセルはいいぞ……()楽しんで頂けたようで良かったです(*´∀｀) (2019年6月25日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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