彼女の哀れ ページ20
「ぬかった…あの男の強大な魔力に気をとられすぎた…！！
攻撃の矛先がよもや我らに向いていたとは……」
〈十戒〉もどうやらエスカノールの力にばかり目がいって油断していたらしい。
まぁ、あんな場面じゃ誰だってゴウセルとの一騎打ちだと思うわな。
僕は縮んで元の弱々しいおっさん姿になったエスカノールのすぐ傍でしゃがみ込む。
おっさんはさっきのゴウセルので精神的にダメージを負ったのか、ぐったりとしたまま動かなかった。
……ま、死んでないか。
じゃあいいや、大丈夫。
「今のもの凄い爆発…何が起こったの！？」
「なんのつもりだ……！！」
「祭りを台無しにする気かーーー！！」
〈十戒〉を攻撃した事により、参加者達が戦闘を止めてざわつき始める。
中にはおっさんの事を避難するような声もﾁﾗﾎﾗ。
…当然か。普通の人はあの2人が魔神族の仲間だなんて知らないだろうし。
それに優勝した人にはどんな願いも叶えてくれるって言ってたもんね。
貪欲な人間にとっては祭りをめちゃくちゃにしただけに過ぎないだろうよ。
ったく、これだから人間は………
「…！？」
自分の事しか考えない周りに僕は呆れを通り越して哀れにさえ思えてきていた、そんな時だ。
不意に弱った〈十戒〉2人の元に、1人の男が降り立った。
彼はいつもはあどけない顔で飄々とした態度を取っている奴なのだが
その時は険しい表情を浮かべ、2人の〈十戒〉を睨みつける。
雰囲気もいつもの間抜けな雰囲気ではない。
ﾋﾟﾘﾋﾟﾘと肌が痛くなるような、そんな雰囲気だった。
「＿＿＿始めようぜ、祭りの本番を」
〈十戒〉の前に降り立った�狠陳広瓩呂修Ω世Δ函�2人に驚く暇を与えず、そのままもの凄いスピードで突っ込んで行った。
空気を裂くような速度で〈十戒〉の巨人の方に詰め寄ったが、相手はすかさず巨大な拳を振り下ろした。
小さな団長はソレを片足だけで蹴り飛ばすと、巨人の体が腕と一緒に後ろに傾く。
団長は更に攻撃を仕掛けに行くが、巨人の腕はまだ3本あった。
巨人はその3本の腕を全て団長に向かわせた。
「はあ…っ！！」
そのまま潰されると思われるも、流石団長だ。
3方向からの巨大な拳を全て弾いて、巨人の体を伝い上へと登ると、今度は団長が拳を振るい、巨人の顎を下からぶん殴った。
「スっ……ゴ……」
異次元の戦いを目の前で繰り広げられ、この時ばかりは言葉を失い、その一言に尽きた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 37人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - しらすさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )更新、頑張ります〜！ (2020年4月7日 2時) (
レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
しらす - 文章が上手くて読みやすいです。更新頑張ってください！期待しています！ (2020年4月6日 0時) (レス) id: 6cdd349fb5 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - フリースラさん» コメントありがとうございます！ノロノロ更新ですが頑張ります〜！ (2020年3月7日 0時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
フリースラ - 続き楽しみにしてます (2020年3月6日 21時) (レス) id: d392d98f0d (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - たこクラゲさん» コメントありがとうございます〜！ゴウセル推してるんですね！ゴウセルはいいぞ……()楽しんで頂けたようで良かったです(*´∀｀) (2019年6月25日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
