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彼女の焦り ページ32

「か、壁が……塞がれた?!」

「しかも物凄い速さだったよな…?」

「あのまま通ってたら私達が壁になっちゃってたわね…」

「流石〈十戒〉……というべきでしょうか」

「っ……」



折角壊してやったのに、〈十戒〉とやらが無駄な事をしてくれたおかげで。

それが無性に腹が立ち、頭に血が上っていく。
さっきまで無駄に得意気に話して、無駄に褒められたから恥ずかしさも絡めて。



「ッチ……壊せないなら、壁の上を飛べば良いんだろが!」

「あっ…!ちょっと、Aっ!!」



僕は舌打ちをかますと、怒り任せに浮き上がり、大迷路の壁の上を目指す。

幸いにもこの迷路に天井はなく、特に何か怪しいモノが張られているワケでもない。


この壁の上を飛んでりゃすぐにゴールに着くと思ったが
やはりそう上手く事を運ばせてはくれないようだ。



「っ…?!」



一直線で上を目指し、壁を超える高さまで行く直前
突如、僕の企みを遮るように大地の柱が横から生え、危うくソレに頭を思い切りぶつけそうになる。

急ブレーキを掛け、僕は眉を顰めた。


こんなモノ、壊してしまえばっ……!



「やめとけ、A!壊したところでさっきの二の舞だ!」



髪に刺した簪に手を掛けた所で、不意に下から団長がそう声を掛けた。

今までのでイライラしていた僕は思わず睨みつける。
悔しくて、恥ずかしくて、とにかく何とかしなきゃと心が何故か急かしてくる。



「じゃあ、瞬間移動術使って上まで移動してやるよ!」

「それもやめとけ!そんな事したらお前、殺されるかもしれないぞ」

「はァ?!そんな事で!?」

「ああ、そんな事で!」

「……」



団長のその言葉に、僕はようやく多少落ち着いた。

やはり僕も自分の命は惜しいらしい。


壁から伸びた柱を睨みつけ、僕はまた舌打ちをかますと渋々下に降り立った。

するとすぐにリラが駆け寄って来て、彼女は呆れたように僕の顔を覗き込むと腰に手を当て、説教をかました。

彼女の罠→←彼女の得意気



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*IJu*(プロフ) - らんさん» うーん…一応更新する順番は決めているんですが、特殊というかなんというか…お話もメモとかしてないでその場で言葉を考えて打っているので、パッと書ける時もあればそうでない事もありますし、基本不定期ですね(´・ω・`)長いと1ヶ月弱更新しない事もあります……… (2018年10月5日 4時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - どの程度で更新するんですか? 例えば、週に2度とか、土日の12時にとか! (2018年9月30日 22時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます〜!!楽しんで頂けているようで良かったです(`・ω・´)これからも更新頑張ります〜!! (2018年9月30日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 更新楽しみぃ!! 面白くて、Part1から一気に読んじゃいました!これからも頑張ってください! (2018年9月28日 0時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます! 楽しんで頂けて良かったです〜(*´∀`) これからも更新頑張らせていただきます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月21日 2時

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