彼女の予感 ページ23
「…?こんな所って?」
独り言なのだろうか。だが聞こえたので僕は尋ねてみた。
するとアーサーは困ったように苦笑し、「たはは」と頭に手をやりながら返答する。
「醜い、と言いますか…汚い、と言いますか。
あんまり人前には出したくない内側と言いますか…」
「……え?何?今の中でアンタ、そういう所出したの?」
「はい、わりと」
「えっ?」
彼の発言に僕は眉を顰めた。
当たり前だ。だって心当たりがないんだもん。
てっきりフツーに話してたのかと思ってたんだけど…
まぁ、らしくないっちゃらしくはなかったかも…?
でも別にそこまでじゃなかったし……
「あ、でもわからないならそれでいいです!気になさらないで下さいA殿!」
「何ソレ、気になるに決まってるじゃん」
アーサーの一体何が醜いのか、汚いのか。
よくわからなくって僕はアーサーを見つめながら考える。
するとアーサーは誤魔化すように笑いながらそう言い、更に気になった僕はアーサーを睨みつけると彼に顔を近付けた。
途端にアーサーは顔を赤く染め、口から言葉にならない声をもらす。
その反応が面白くって、僕は更にからかおうとしたが
直後、アーサーの頭がガクンと下がる。しかしアーサーの意思ではなく頭の上の物体の仕業のようで
そのせいでアーサーの頭の上に乗っていたブサイク猫と目が合う。
ソイツはただじーーっと僕を見つめるだけで
何故だかその丸い無機質な瞳が誰かさんと重なった。
………なんだ、コイツ。
これ以上アーサーをからかわないで、ってか?
「ちょ、ちょっとキャスっ……!」
「……キャス?」
案の定アーサーもその猫の行動は予想外のようで、頭を下げたまま手探りでキャスの体に触れて宥めた。
その時彼が頭の猫の名前らしき言葉を告げたので、僕はアーサーに尋ねてみると
アーサーはそのままの姿勢でまた困ったように笑いながら答えた。
「あ、はい…!この子の名前です!
くしゃみをする時の鳴き声が由来です」
「…雑だな」
……まさか名前が付いていたとは。
しかもくしゃみが由来だなんて。
アーサーの意外な一面を垣間見た気がして、僕も思わず苦笑いを浮かべると
ようやくアーサーは顔を上げて、ブサイク猫…じゃなくてキャスの顔面からようやく開放される。
とは言ってもまだ見られているようで、威圧にも似た視線をアーサーの頭の上から感じた。
……コイツと仲良くなれそうにはないな。
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*IJu*(プロフ) - らんさん» うーん…一応更新する順番は決めているんですが、特殊というかなんというか…お話もメモとかしてないでその場で言葉を考えて打っているので、パッと書ける時もあればそうでない事もありますし、基本不定期ですね(´・ω・`)長いと1ヶ月弱更新しない事もあります……… (2018年10月5日 4時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - どの程度で更新するんですか? 例えば、週に2度とか、土日の12時にとか! (2018年9月30日 22時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます〜!!楽しんで頂けているようで良かったです(`・ω・´)これからも更新頑張ります〜!! (2018年9月30日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 更新楽しみぃ!! 面白くて、Part1から一気に読んじゃいました!これからも頑張ってください! (2018年9月28日 0時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます! 楽しんで頂けて良かったです〜(*´∀`) これからも更新頑張らせていただきます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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