彼女の余所見 ページ17
「ダメでしょ、A?メリオダスを困らせちゃ」
「…!」
思わずバッとそちらを見ると、案の定団長の後ろにはリラと、もう1人ゴウセルが続いていた。
リラはムッとした顔で僕を注意すると腰に手を当てて「ちゃんとお掃除しなさい!」とまるで母親のように告げる。
お節介な彼女が来てしまっては、このままでいたら口煩いのは目に見えていた。
なので僕は素直に髪の毛に持たせていたブラシとちりとりを自分の手元に戻して、自分の手でちゃんとゴミを集める。
するとリラは「もう…」と溜息を吐き、団長は「にしし」と笑った。
くそぅ…団長め、リラを連れて来るだなんて卑怯な。
とは言っても多分あの2人もお掃除要員で連れて来たんだろうけれど。
あとそこで窓拭いてる聖騎士ハウザー、笑い声聞こえてんだよコノヤロウ。
とりあえず僕を笑ったハウザーを一睨みしてから僕は大きな溜息を吐くと、チラリとリラ達の方を見遣る。
リラ達も案の定団長からお掃除道具を押し付けられ、当の団長は台所の奥へと消えてしまった。
その後2人はそれぞれ動き出して、リラは窓を拭きに、ゴウセルはブラシを持ってその辺を掃き始めた。
……とりあえず、ゴウセルは真っ直ぐこっちに近付いて来ると思って警戒してたんだけど、どうや
大丈夫だったみたい。
でもそう思って油断してたら来るヤツだから、やはり警戒は怠らないで置こうか。
いつ、ゴウセルに何をされるかわからず、僕はゴウセルを睨みつけながらブラシで床を掃いていたのだが
ふと、下の方で「いたいっ!」と可愛らしい声が聞こえて、僕はなんだと声のした方を向いた。
すると僕のすぐ正面には小さな少年が前に倒れてしまっていて、彼はすぐには起き上がらずに目尻に涙を溜めて拳を握り締めていた。
きっと僕が余所見して掃いている時に、僕のブラシに後ろからどつかれてしまったんだな。
一瞬何処から迷い込んだガキんちょかと思ったが、そう言えばイスタールで聖騎士の1人が子供になってしまった事を思い出す。
………確か名前は…グリムモール、だったっけな?
「あー…悪い。大丈夫か?」
とりあえずそのまま放置も可哀想なので僕は彼に声を掛けると、彼は「だいじょぶ…」と今にも泣きそうな声で呟いた。
いや、大丈夫じゃなさそうなんですけれど。
つかほぼ泣いてないかソレ?鼻すする音も聞こえるんですが?
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*IJu*(プロフ) - らんさん» うーん…一応更新する順番は決めているんですが、特殊というかなんというか…お話もメモとかしてないでその場で言葉を考えて打っているので、パッと書ける時もあればそうでない事もありますし、基本不定期ですね(´・ω・`)長いと1ヶ月弱更新しない事もあります……… (2018年10月5日 4時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - どの程度で更新するんですか? 例えば、週に2度とか、土日の12時にとか! (2018年9月30日 22時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます〜!!楽しんで頂けているようで良かったです(`・ω・´)これからも更新頑張ります〜!! (2018年9月30日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 更新楽しみぃ!! 面白くて、Part1から一気に読んじゃいました!これからも頑張ってください! (2018年9月28日 0時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます! 楽しんで頂けて良かったです〜(*´∀`) これからも更新頑張らせていただきます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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