彼女のメリット ページ14
一国の王としてこのままでいいのか、と内心呆然としていると、アーサーはこてんと首を傾げて言葉を続けた。
「だって私、A殿の傍にいたいからこうしているわけですし…」
「…あのなぁ」
「そもそもメリットとか考えますか、普通?」
「考えるだろ?フツー」
「じゃあA殿がリラ殿と一緒にいるのは、A殿に爛瓮螢奪鉢瓩あるからなのですか?」
「それはっ…」
そう言われて返す言葉が無かった。
パッと思い浮かぶそのメリットとやらが思い浮かばなかったから。
…そう考えたら、僕もアーサーと同じ気持ち…なのだろうか?
「……」
思わず黙り込んでいると、アーサーは「ほら」とクスクス笑い出し、今度は私がそっぽを向いた。
するとアーサーは1度笑うのをやめて「ああ、でも」と言葉を付け足すと
照れくさそうに頬を掻きながらポツリと告げた。
「メリットを敢えて言うとすれば……A殿といると、凄く楽しいです…!」
「………そーゆーのじゃないんだけど」
ああ、ダメだ。この天然王様には勝てそうにない。
僕はまた溜息を吐くと、横目でアーサーを伺う。
アーサーはこちらの視線には気付いていないようで、僕から目をそらし頬を染めてはにかんでいる。
でも何処か楽しそうな、そんな雰囲気も何となく漂っているような気がした。
ソレがなんだか悔しくて、僕は髪の毛を伸ばして彼の背中から回し、横から抱き締めるように彼を包み込んだ。
案の定大袈裟に声をあげ、大袈裟な反応を示した所で僕は思わず笑ってしまうと
アーサーは顔を真っ赤にして戸惑いの表情を露にした。
「髪の毛だけでまだ触れてないのに…見た目通りのウブだな」
「し、しし仕方ないじゃないですか!だってA殿がいきなり…
…って、まだ?今A殿、爐泙性畤┐譴討い覆い辰童世い泙靴拭帖帖」
「そんな事よりアーサー、お前本は好きか?」
「え、えっ………えっ?」
妙な所で食いついた所で、僕は話題を変え彼に1冊本を差し出すと
アーサーは目を白黒させながらも、僕の質問に頷いた。
本を僕から受け取ると表紙をじっと見つめ、そして次に僕の方を見てからきょとんと首を傾げた。
「……それが、何か?」
「いや、一緒に読もうと思ったんだ。たまには、ね。……嫌か?」
「い、いえ!是非お供させて下さい!!」
ただ一緒に読書するだけなのに、威勢のいい返事。
僕はそれにまた笑ってしまうと、おもむろに読み掛けの本を開いた。
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*IJu*(プロフ) - らんさん» うーん…一応更新する順番は決めているんですが、特殊というかなんというか…お話もメモとかしてないでその場で言葉を考えて打っているので、パッと書ける時もあればそうでない事もありますし、基本不定期ですね(´・ω・`)長いと1ヶ月弱更新しない事もあります……… (2018年10月5日 4時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - どの程度で更新するんですか? 例えば、週に2度とか、土日の12時にとか! (2018年9月30日 22時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます〜!!楽しんで頂けているようで良かったです(`・ω・´)これからも更新頑張ります〜!! (2018年9月30日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
らん - 更新楽しみぃ!! 面白くて、Part1から一気に読んじゃいました!これからも頑張ってください! (2018年9月28日 0時) (レス) id: 1161fafd27 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 紫苑さん» コメントありがとうございます! 楽しんで頂けて良かったです〜(*´∀`) これからも更新頑張らせていただきます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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