彼の痛み ページ12
「………んっ……？」
外に意識が向いている間に、Aがどうやら目覚めたようで
彼女は寝惚けた声をこぼしてゆっくりと瞼を上げると、まだ眠そうな目をしてｷｮﾛｷｮﾛと辺りを見渡した。
彼女の目覚めにアーサーは途端に表情を綻ばせ、嬉しそうな顔をしてAを見遣る。
「お、おはようございます、A殿っ！」
「………………」
だがAはﾁﾗﾘとアーサーの方を見ただけで、返事を返す事は無かった。
その瞬間、アーサーは一瞬だけ悲しそうに顔を歪めた。
そのまま黙ってAは起き上がると、現状を理解していないのか部屋内を寝惚けた瞳で見渡した。
そうして一通り見終わると、彼女は俺の方を向いて問い掛けた。
「………どーゆー事になってんの？」
大嫌いな俺だからか、アーサーの時より低く、鋭い眼光をしていた。
またﾁｸﾘと胸が痛みつつも俺はいつもの調子で彼女に現状を教えてやる事にする。
「此処は《豚の帽子》亭の物置部屋だ
お前の魔術は失敗し、俺に眠らされ運ばれた」
「………」
「因みに此処まで運んだのも俺だ」
「……………そういやアンタ、肌色と髪の色変えられるんだっけな………」
俺の説明を聞くとAはハァ、と大きな溜息を吐いて頭を抱えた。
だがすぐ顔を上げると、今度はアーサーの方を見遣る。
途端にアーサーは背筋を伸ばし、少し頬を赤らめた。
「………で？何でアンタは此処にいるのさ？」
「えっ？な、何で、と言われましても…」
聞かれてアーサーはｷｮﾄﾝとした顔をしたが
対してAは眉間に皺を刻み、明らかに不快そうな顔をする。
だがその瞳は何処か優しい気がした。
「ゴウセルに記憶操作でもされちゃったの？そうでなければ、さっきの僕の有様、見たでしょ？」
「は…はぁ……」
「……アレが僕だよ。
彼女の…親友の為なら仲間を平気で消そうとする。それが
こんな僕を好きになった所で……アンタが批難されるだけ。
だから……もう、関わらないで」
「………A殿…………」
最後の言葉は酷く弱々しく、それでいてか細かった。
Aは言い終わる前に膝を抱えると、その上に頭を埋めてアーサーから目をそらした。
アーサーもその言葉を聞いて相当ショックだったのか
今にも泣きそうな顔をして俯き、黙り込んでしまう。
しかしその場を動こうとはしなかった。
その光景を見ているとまた胸がﾁｸﾁｸと痛みだし、俺は胸を押さえた。
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眼鏡っ娘☆ - あ！「返信ありがとうございます」って日本語がおかしいですね！正しくは「コメントへのお返事をくれてありがとうございます！」のつもりでした。意味が分からないコメントで本当にごめんなさい！長文ですみません！ (2017年7月30日 0時) (
レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡っ娘☆ - ついにゴウセルの登場だぁ！(σωσ)ゞ返信ありがとうございました！ (2017年7月10日 0時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 眼鏡っ娘☆さん» コメントありがとうございます！！ はい！これからも更新頑張ります(｀･ω･´) (2017年7月4日 23時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
眼鏡っ娘☆ - 更新頑張ってください！楽しみにしてます！！ (2017年7月1日 10時) (レス) id: 0e24f7fe4c (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - おお！ワクワクの展開！続き楽しみにしてますね(*^-^*) (2017年3月3日 23時) (レス) id: d847c59499 (このIDを非表示/違反報告)
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