彼女のアドバイス ページ25
「それで?お前はどーしてゴウセルの愚痴吐き出してたんだ?」
笑っていた団長は急にキョトンとした顔をすると、腰に手を当てて私に尋ねた。
唐突に話題戻して来んな……
僕は眉を顰めて溜息を吐くと、今さっき溜めたイライラを団長に話す事にした。
「それがさぁ、さっきキングに説教されちゃって」
「ゴウセルの事でか?」
「そう」
流石団長、わかってくれてありがとう。
おかげで奴の名前を呼ばずに済んだよ。
「どんな風にだ?」
「『少しは考えてやれ』とか『アイツなりに考えてるんだから』だとか。
何で
それよりこっちの気持ち考えろっつーーのっ!!」
思ったよりも苛立ちを吐き出してしまった気がするが、おかげで幾分か気分がスッキリした。
でも団長の反応が少し気になって、恐る恐るそちらの方を見遣ると
団長は「ほー…」とこくこく頷きながら目を瞬かせた。
「ま、キングの説教も一理あるな」
「団長まで…」
「でも、お前の言ってる事も一理ある」
つまりどっちよ。
ふらふらと曖昧な団長の言い分に僕は呆れてしまう。
そんな僕に構わず団長は腕を組むと、更に言葉を続けた。
「確かにAはゴウセルの事を考えちゃいねぇ。
だけどゴウセルもまた、お前の都合までは頭に入ってない。
要はお前ら2人とも、互いの事を考えないで勝手に決めちまってるんだよな。
そりゃあ、Aは嫌になるし、ゴウセルもお前に嫌われる理由がわかんねーよな」
「…」
しかし流石団長か、そこら辺はちゃんと見ているようだ。
……いや、普通にわかるか。
確かに言われてみなくとも、僕はゴウセルの事なんざ考えてないし、アイツもそうだ。
だから僕はゴウセルから離れたいのに、アイツは何処までも僕を追い掛け回して来やがって。
アイツは一体何考えてるんだ。
「…で?どーすればいいと思う?」
「いや、フツーにわかるだろ?」
何だか団長が珍しく真面目な事を言っていて少し妙に感じたが
とりあえず今後も付きまとわれるのは嫌なので尋ねたら『まだわかんないのか』みたいな顔をされた。
「互いに相手の事を考えればいいんだよ。簡単だろ?」
「相手って…ゴウセルの事を?」
「そう。ついでに他の連中にも」
こくこく頷く団長に僕は眉を顰めて、頬を掻く。
ゴウセルの事考えろったって……
そもそも、他人の気持ちなんてわかるわけないじゃない。
68人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ