彼女の返し ページ24
「あーー、クソ…何なの、さっきの」
キングと別れた後、僕はふらふらと修練窟の隣の妙な塔周辺を歩きながら愚痴を吐いていた。
だってさっきのキング、意味わかんないんだもん。
ゴウセルの肩持つ様なこと言いやがって。
『ゴウセルの事考えてあげて』？
だったらまずは僕の気持ちから考えて。
『ゴウセルだってゴウセルなりに考えてるんだ』って？
余計なお世話だクソ野郎。そーゆーのいらないから。
「あーーー、ｸｿｯ…胸クソ悪ぃ……全部あの野郎のせいだ…！
次会ったらマジでぶっ飛ばしてやる…」
「あの野郎って、ゴウセルの事か？」
「そうなんだよ…ホンット、アイツに関わったらろくな事にならな…」
ちょっと待って。
1人愚痴を吐いているはずが、何故かもう一つ声がナチュラルに入って来て、思わず会話をしてしまった。
途中で異変に気付き、ﾊﾞｯと声のした方を見ると
僕の隣には幼い顔付きの小さな団長が立っていた。
「うぉおおっ？！団長！？いつの間にっ！？」
正体を知って僕は思わず後退り、素直に驚きを体で表した。
いや、だって気配とか全く感じてなかっだもんだから…
団長は僕の驚いた様子に「ﾆｼｼ」と悪戯っぽく笑う。
「お前もそんな声出るんだな」
「いや、驚かない方が可笑しいわ！」
「そうか？普通に隣に並んだんだけどなぁ…？」
それは一般基準では普通だったのでしょうか、団長。
キョトンとした顔をする団長に僕は呆れの溜息を吐くと、彼は「それより」と僕の方を見遣って首を傾げた。
「お前、こんな所で何してるんだ？」
「団長こそ、何してんの？」
「俺は今さっき、試練を乗り越えて来た」
「試練…？」
「そ、試練！」
オウム返しに尋ねると団長は親指で後ろにあった塔の方を指差し、ﾆｯと歯を見せて笑う。
きっと彼はこの塔の中でその試練とやらを受けていたのだろう。ご苦労なこった。
「因みに今はエリザベスが試練を受けている」
「ああ…あの人もいるんだ」
「そんな、あからさまに嫌そうな顔すんなって。
エリザベスはお前と違ってめちゃくちゃイイヤツだぞ？」
僕に比べてってなんだ。
団長の言葉に思わず眉を顰めて睨みつけると、彼は何だか楽しそうに笑って「こえー」とか言い出した。
此処は1つ、言い返してやりたい所だが
生憎団長の言っている事は本当の事だから何も言えなくって、僕はただ笑う団長を睨み続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます！ ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね！夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか！？ (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
