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妖精王の憂鬱 ページ23

「A………」



小さくなっていくAの背中を見て、オイラは呟く。



…やはり彼女はわかってはくれないらしい。

そりゃそうだよね、だってゴウセルに散々酷い事をされたんだから。
昔から気に食わなかっただろうに、記憶を消されて、何年も操られてたんじゃそうなるのも無理はない。


でも…でも……



「何じゃ、あの態度は?
流石は冷酷な魔女族様じゃな」



Aが行ってしまった後、ジェンナは彼女が去って行ったが方向を見つめながら眉を顰めてそう零した。



『まぁ、そう言ってやるな』

「何もあそこまで言わなくても言いだろうに…アイツに人間の心はあるのか?」

「ジェンナも結構言うね……」

「我慢はしないな」



だがすぐにニッとイタズラっ子のような笑みを浮かべると、「そういえば」と続けてオイラの方を見た。



「主こそ、先程まであのお人形さんとギスギスしていたのではないか?

何故、肩入れするような真似を?」



……ああ、いや。そんな雰囲気だったのかな。



確かにオイラは怒ってた。

今だって怒ってる。


だって、他人の…ディアンヌの記憶を実験台のように扱って、勝手に消したんだから。

やっと、この気持ちを伝えようとしたのに…
また離れ離れになってしまって。
恨んでる、と言っても過言ではない。



でも…それとこれとは違うんだ。

だってゴウセルはきっと、オイラがディアンヌを想うソレと同じように、Aの事を思っているから。


多分、ゴウセル自身は気付いていないと思う。

いや、もしかしたらわからないのかもしれない。
彼には心が無いらしいから。

でも何となくわかるんだ。
ゴウセルはゴウセルなりに、Aを大切にしてるんだって。


何かあるとすぐにA。

彼女がいる間はずっとそばに居続けようとするし
彼女との会話を試みようとするし。


結局いつも足蹴にされているけれど…
それでも、彼が諦めた所を見た事は無かった。

昔から、ずっと。



だからかな。

さっき、Aにああやって言ったのは。



「…似てる、からかな」



少しの間を置いて、オイラは苦笑すると
ジェンナの問いにそう答えた。

そして彼女が去って行った方向を見つめて、思わず溜息を漏らす。





……Aはゴウセルの事、どう想っているのかな。

彼女の返し→←彼女の嫌い



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*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年3月15日 23時

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