彼女のまとめ ページ20
「ふぅーん……つまり、此処は『イスタール』っつー所で、十戒との戦いに向けて鍛錬してるってワケ?」
キングから聞いた話を自分の中でまとめると、キングはこくこくと頷いて「そうだよ」と目を伏せた。
どうやら僕が呑気に昼寝をしている間に大変な事になってしまったみたいで。
僕が寝ている間に、ディアンヌは何処かに行ってしまったらしい。
何処に行ったかはわからないようで、でも団長曰く『大丈夫』なんだとか。
キングはそれでも心配してるけど。
それもそうだ。何でもディアンヌはゴウセルに妙な術を掛けられたみたいなんだから。
記憶が端から消えていく…とか何とか。
つまり、きっと今のディアンヌは〈七つの大罪〉としての記憶は無いんだろう。
よし、ゴウセル後でぶん殴ろう。
そんでディアンヌの探索は今は一時中断して
此処、『イスタール』にある修練窟で特訓しているらしい。
魔神族との戦闘に備えて。
団長達も皆修練窟にいるんだと。
バンは妖精王の森に残ってるみたいだけれど。
つか〈七つの大罪〉抜けるとか言ってたな。マジかよバン。
「僕が昼寝してる間に色々起こり過ぎでしょ…
何なの、僕昼寝したらいけないの?」
やっと理解してから僕はそうぼやくと、キングも苦笑して「昼寝は大事だよ」と言ってくれた。
まぁ、お前の場合は寝過ぎだけどな。
「ところでA、キミは今まで何をしていたの?
此処に来るまでにキミはいなかったはずだけれど…」
「さぁな…僕も知りたいよ。
ただ、大方の犯人の目星はついてる」
キングの疑問に僕は思わず眉を顰める。
脳裏に浮かぶのは、あの忌々しいメガネ野郎。
あといつも妖艶な笑み湛えた魔術士。
……ま、今回は別にいいけれど。
「何をしてたって言われりゃ…昼寝だな」
「また1人で?」
「そ、あのオンボロ小屋の中じゃうるさくて寝れやしねーよ」
「そう?オイラは全然寝れるけど?」
「アンタの周りには虫がくっついて来ないもんな」
「虫…?」
あのゴウセルがいる所で寝るとか、怖過ぎて無理。
寝ている間に何かされるのではないかと思ったら恐怖で夜も寝れやしない。
ああ、さっきはそんなヤツに会いたいと思ってたんだっけ。
だとしたら今ここで撤回させて。アレは嘘だ。
冗談じゃないよ、あんな野郎に会いたいとか。
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*IJu*(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます! ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね!夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか!? (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
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