彼女の笑み ページ11
「はぁ…」
自室に戻ると僕は盛大に溜息を吐く。
ああ…またやっちゃった。
冷たく当たっちゃった。
コレどうにかなんないのかな…対応が昔のまんま。
どうも女を相手にすると強く言ってしまうらしい。
…この調子じゃ王女さんにもディアンヌにも変わらないだろうな。
せっかく仲良くなった(つもり)なのに。
頭の中で皆に冷たい態度を取ってしまった事を反省しながら、僕は窓際にある椅子に座り、3冊の魔道書を見つめる。
青、紫、黒で並んだ魔道書はやはり黒だけ表紙に描かれた紋様が違い、僕は眉を顰めた。
表紙の紋様は持ち主の証。
だから所有者によって紋様は違う。
つまりコレは僕のではない…
となると、一体コレは誰の物なのだろうか。
「…とりあえず、中身見てみるか」
一瞬思い浮かぶ愛しい親友の顔を振り払い、僕は自分に言い聞かせるようにそう呟くと、そっと黒い魔道書を開いた。
そしてざっくりと中身を読み流す事にする。
魔道書の中身はそれぞれ異なっている。
攻撃術中心だったり回復魔術中心だったり。
因みに僕の魔道書は攻撃術中心と状態異常中心だ。
他にも簡易的な防御術だったり回復術も載っている。
「…なに、コレ…」
暫く黒の魔道書を読み進めていた僕だったが、その中身に僕は思わず零した。
この魔道書…禁術についてがほとんどだ。
禁術とはその名の通り、禁じられている術だ。
死んだ生命を蘇らせたり、肉体の寿命を伸ばしたり、縮めたり、枯らしたり。
他にも禁術には幾つか種類があるが、この魔道書にはそのほとんどが記されていた。
何なんだ、この魔道書…
途端に恐怖を感じつつも、ページを捲る手は止まらない。
文字を読む瞳はそらすことを許さない。
好奇心とは怖いものだ。
……まさか、この魔道書に限ってリラのなんて…
いや、そんなの無いよ。有り得ない。
もし、もしだよ？
これが彼女の物だとしよう。
そうしたら、彼女が愛して止まなかった�猗爿瓩呂箸辰�に生き返ってるはずだ。
何せこの魔道書には人の生命を蘇らせる禁術が載っているのだから。
なのに彼女は1人だった。
そして彼女の前に�猗爿瓩六僂鮓修気覆�った。
…うん、絶対違う。
違うよ、彼女が魔女族だなんて。
「………あ、」
本を捲りながら1人そう考えていると、ふととあるページに目が止まった。
僕はそのページを何度も読み返す。
「…直接本人に、聞けばいいか」
そして、僕の口の端が歪に歪んで行くのを感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - 如月李瑠葉さん» コメントありがとうございます！ ツンデレ良いですよねツンデレ(( そんな、天災だなんて…← 僕には非常にもったいないお言葉でず…_( _´ω`)_ (2017年1月9日 12時) (
レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
如月李瑠葉 - これも面白いですね！夢主のツンデレっぷりがイイ…天才ですか！？ (2017年1月9日 1時) (レス) id: 5cf1189260 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
