彼女の為なら【七つの大罪】part4

＊彼女の本＊ ページ1

前に純血の魔女族は少なくなりつつあり、人間の血が混じった魔女は本来の力を出せないと記載したが

一部の魔女は、人間の血が混ざっているのにも関わらず、本来の魔女族以上の力を発揮したと言われる例もある。


その由来は古(いにしえ)より伝わる『魔女の魔道書(ウィッチ・ブック)』からだと思われる。



『魔女の魔道書(ウィッチ・ブック)』とはその名の通り、魔女族に代々伝わる魔道書で、その書体は魔女族以外には解読不可能。
表紙には所持者を模した印(マーク)が描かれている。

そこには様々な魔術について記されているとされる。

常に強い魔力を放ち、その魔道書はそばに置いておくだけでも術者の魔力が大幅に上がるが
更にその魔道書の呪文を唱えると本来の何倍もの力が発揮できると記されている。


この魔道書は魔女族の中でもほんの一部にしか伝えられておらず、現段階ではその冊数は合計で6冊とされる(正確な冊数は不明)

また、魔女族の中には1人で何冊もの『魔女の魔道書(ウィッチ・ブック)』を所持しているという話もあり、もしかしたら上記の説明よりも多いと推測される。
(但し基本は1人一冊という説が一番信憑性が高いので、何冊も所持している魔女は相当高い地位についている魔女だと思われる)






















「………やっぱり人間って、面白いわね」



静かに本を閉じて、本棚に戻す。


人間という生き物は、どうしてこんなにも好奇心が旺盛なのかしら。



こうして『魔女の魔道書(ウィッチ・ブック)』について勝手に調べて、勝手に書いちゃって。


こんなの知って、何になるの？

人間が魔女族(わたしたち)について知って、それが一体何になるの？？


もしかして倒す気？

それとも、今更仲良くなりたいのかしら？



「…馬鹿馬鹿しい」



私は自慢の黒髪を靡かせて、その場を立ち去る。


嗚呼、またつまらない朝が来る。



外に出る前に、笑顔の練習でもしておかないと。

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