王様の証明 ページ46
「…アーサーって、ホントに僕の事好きなの?」
「え…へっ?!」
A殿が怒っていると思った私は彼女に謝ろうとした所、彼女から訝しげにそう聞かれた。
お、怒ってない…?
いや、そこに安心してる場合じゃなくて…
「アンタ、この間僕に一目惚れしたとか言ってたけれど…それってホント?」
「A殿って結構直球で聞くんですね…」
まるでマーリンみたいだ。
それにしても…A殿はまだ私が彼女に向けるこの思いをイマイチ理解していないようですね…
どうすれば私のこの思いをわかってくれるのでしょう…
私は本気で、彼女の事が好きなのに。
そりゃ、一目で虜になってしまうだなんて、あまりにも夢物語みたいですし、信じてもらえないかもしれませんが……
でも本当に、この気持ちは偽りでも大袈裟でもありません。
……でも、どう伝えたら良いのでしょうか。
どうすれば彼女は理解して頂けるのでしょうか?
「……本当ですよ。
私は、A殿が好きです」
暫く頭の中で考えて考えて、出てきた答えを口に出す。
その短くも素直な言葉に、私の精一杯の気持ちを乗せて。
「一目惚れしたのは本当です。
その瞬間、貴方に夢中になったのもまた事実です。
私は本気です。
その気になれば、貴方を妃として迎い入れる準備だっ……」
「あーうん。も、いいから。もういいからっ!
もうそれ以上喋んないでいいよ、マジで」
でもそれではやはり足りないと思い、更に言葉を続けると
途中でA殿に遮られてしまった。
A殿は「よく言うよな…」と呟くと片手で顔を覆い隠す。
一瞬だけ見えたその顔は、林檎のように赤く染まっていました。
「…とりあえず、お前が気持ち悪いぐらい僕を好きなのはわかった」
「きっ、気持ち悪いって…」
や、やっぱり信じてもらえなかったのでしょうか…
A殿から言われた『気持ち悪い』という言葉に落ち込んでいると、不意に私の視界の隅に白い何かが映った。
ソレはA殿の髪の毛で、彼女はそれで私を優しく包み込む。
ふわっと、A殿の匂いが鼻をくすぐる。
「Aど、どどど殿っ…!?」
「…アンタ、バカだよね。
つか僕の周り皆バカばっか」
「え、へっ…?!」
まさかの事に頭の中でまたパニックを起こし、A殿の方を見遣ると
彼女は何処かもの悲しげな顔をして、何処か遠くを見つめていた。
「ホント…何であの時、アンタ達みたいなバカはいなかったの」
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ヒヨリ(プロフ) - *IJu*さん» 偶然でしたか(笑)すみません。人気にはならないけどいい曲ですよね!私も好きです。聴いて下さりありがとうございましたd(≧▽≦*) (2016年1月31日 7時) (レス) id: 2f457c2e04 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ヒヨリさん» コメントありがとうございます! いえ、ただの偶然です…まさかそのような題名の曲があったなんて…! 因みに聴いてみました!とても素敵な曲ですね(*´∀`)イラストも可愛らしいですし、最近は毎日のように聴いて歌詞を覚えています! (2016年1月31日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ(プロフ) - ひとつの国のリラちゃんですか?あ、夢主ちゃんの名前の事ですw私の大好きな曲なんですけど…もしかしたら?と思いまして。良ければ聞いてみて下さいませ。(*´ω`*) (2016年1月27日 21時) (レス) id: 2f457c2e04 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ゆっくりエリー☆(・ω<*)ゞさん» あけましておめでとうございます! お餅は食べられましたか?w 因みに僕はお雑煮の時に3つ食べて以来食べていません(´・ω・`) 七大2期楽しみです!!早く皆の活躍がみたいっ…!! (2016年1月20日 18時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりエリー☆(・ω<*)ゞ - あけましておめでとうございます!お餅が食べたい私です…にしても作者様いつもいいとこで切りやがって~wコノヤロウww♪( ´∀`)σ)∀`)ウェwあ、七つの大罪アニメ二期楽しみですね! (2016年1月18日 0時) (レス) id: e070c33a98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*IJu* | 作成日時:2015年7月31日 0時