彼女の応答 ページ34
「…ゴウセル……」
僕は思わず眉を顰めて奴を睨む。
ゴウセルは相変わらずの無表情で首をこてんと傾げると、淡々と言葉を紡ぎながら僕の方へとゆっくり歩み寄る。
…何で、よりによってコイツに見つかるの。
「A、こんな朝早くに何処へ行く?」
「…何処でも良いだろ?」
「良くない」
何でだよ。
早くも苛立ち始める自分を抑え、溜息を吐く。
多分此処で答えないとずっと聞いて来るだろう。
はぐらかしてもダメ。ハッキリと伝えるまでコイツはきっと諦めない。
しつこいコイツの事だから絶対そうだ。
そう考えた僕は仕方なく奴の質問に答える事にした。
「…アーサー王様の所」
「……キャメロット王国、か?」
すると奴は予想外だったのか珍しく目を丸く見張り、驚いたような顔をして瞬きを繰り返す。
そう、僕がこれから向かうのはアーサー王様のいるキャメロット王国。
まぁ今ので察したとは思うが、つまり僕は此処《豚の帽子》亭を出る。
そんで戻って来ないつもり。
それを伝えたら質問攻めしてきそうなので、聞かれるまでは言わないようにしとく。
「何故だ?」
「アーサー王様に誘われたから」
「Aはアーサーが好きなのか?」
「…アンタよりはマシ」
「では、Aはアーサーの求婚を受けると言う事なのか?」
「そういう…ワケじゃない」
「ならAがアーサーの元へ向かう理由はなんだ?」
ああ、コイツってホント面倒くさい。
奴の質問に答えながら僕は頭をガシガシと乱暴に掻くと、奴を睨みつけて言った。
「別にお前には関係無いだろ?
行きたいから行く。それじゃダメなの?」
「それは理由とは言わない」
「じゃあ理由無くて良いじゃん。僕の気まぐれって事で」
「ではいつ戻って来る?」
「……」
ああ、やっぱそこ聞きますよね。
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ヒヨリ(プロフ) - *IJu*さん» 偶然でしたか(笑)すみません。人気にはならないけどいい曲ですよね!私も好きです。聴いて下さりありがとうございましたd(≧▽≦*) (2016年1月31日 7時) (レス) id: 2f457c2e04 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ヒヨリさん» コメントありがとうございます! いえ、ただの偶然です…まさかそのような題名の曲があったなんて…! 因みに聴いてみました!とても素敵な曲ですね(*´∀`)イラストも可愛らしいですし、最近は毎日のように聴いて歌詞を覚えています! (2016年1月31日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ(プロフ) - ひとつの国のリラちゃんですか?あ、夢主ちゃんの名前の事ですw私の大好きな曲なんですけど…もしかしたら?と思いまして。良ければ聞いてみて下さいませ。(*´ω`*) (2016年1月27日 21時) (レス) id: 2f457c2e04 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ゆっくりエリー☆(・ω<*)ゞさん» あけましておめでとうございます! お餅は食べられましたか?w 因みに僕はお雑煮の時に3つ食べて以来食べていません(´・ω・`) 七大2期楽しみです!!早く皆の活躍がみたいっ…!! (2016年1月20日 18時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりエリー☆(・ω<*)ゞ - あけましておめでとうございます!お餅が食べたい私です…にしても作者様いつもいいとこで切りやがって~wコノヤロウww♪( ´∀`)σ)∀`)ウェwあ、七つの大罪アニメ二期楽しみですね! (2016年1月18日 0時) (レス) id: e070c33a98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*IJu* | 作成日時:2015年7月31日 0時