彼女の為なら【七つの大罪】part3

彼女の自問自答 ページ26

一方的に苛立って、僕はその場から逃げるように瞬間移動した。

そうして行き着いた場所は、昨日と全く同じ場所。

少し拓けた森の中で、近くには切り株。地面は芝生で木々の隙間から木漏れ日が差し込む。


……僕は何がしたいんだろう。


こんな所に来て、見つけて下さいって言ってるようなもんじゃないか。

だって昨日と同じ場所だよ？
いや、その前にマーリンの探知(ロケーション)からは逃れられないか。


アイツらからなるべく早く逃げる為に無意識に瞬間移動術使っちまったけど、僕の中ではどうやら此処はお気に入りに登録されたみたい。

別の此処からまた違う所に移動すればいい話だと思うんだけど、生憎そんな気力は無いという。


呆れるわ。

〈耽美の罪(アルビノ・シン)〉のAよ、お前は何がしたいんだ。



「はぁ……」



僕は1つ溜息を吐き、近くの切り株に座り込む。



……どうしよう。


つい勢いであんな事言っちゃったけれど、団長怒ってないかな。
いや、流石にありゃ怒るか。怒るよな。僕なら串刺しにしてるよ。

キングにも悪い事をした。
アイツが止めてくれなきゃ、きっとあの店の中は今頃血祭りだったかも。

…いや、その前に他が止めてくれたか。


謝りたいのは山々なのだが、あんな事を言った反面ノコノコと戻るのは嫌だ。

絶っ対なんか言われる。


いっそこのまま〈七つの大罪〉抜ける？
いやそれは流石に無いわ。

あーでも僕が抜けたら八つあった大罪人が七人になって丁度いいか？


うーん…でもなぁ…
そうしたら何処で僕は生活していけば…



「……」



…ダメだ、考えてたら眠くなってきた。

昨日結構寝たと思うんだけど…まだ足りないらしい。いや、寝過ぎかな。


眠ろうか一瞬迷ったが、僕は切り株から地面に腰を下ろして寝転がると素直に目を閉じ睡魔に身を委ねた。

心地よい日差しと鳥の囀りが、僕を眠りの世界へ誘う。



「(次ゴウセルが来たらぶっ殺してやる)」



最後に心の奥底でこっそり期待して

僕の意識はどんどん遠くなっていった。

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