彼女の為なら【七つの大罪】part3

彼女の疑問と ページ22

「とりあえず、その新衣装(コスチューム)は後で着るとして……」



皆の話に呑まれて本題を忘れない内にと
僕は適当に話を遮ると団長の方を見た。



「それより、僕を物置まで運んだのは誰？」



そして疑問をそのまま皆に聞こえるように言い放った。

皆は顔を見合わせて、首を捻ったり眉を顰めたり。



「…そういやお前、昨日は出てったっきりだったのに何で上から来たんだ？」

「知らないよ。目が覚めたら物置にいたんだから。
僕だって知りたいよ」



団長も首を傾げてキョトンとした顔をするとそう言った。

僕はその反応に溜息を吐く。


……団長、ではなさそうだな。



「___俺だ」



他の奴らも同じように見遣ると、不意に一人の男が名乗り出て僕の前に歩み寄る。

ソイツは僕の大ッ嫌いな奴だった。



「………ゴウセル」



僕は吐き捨てるように呟いて、奴を睨みつけてやる。

だが目の前のゴウセルは相変わらず表情を変えず、首を傾げるばかりだった。



「…アンタが僕を運んだの？」

「正確にはマーリンも共犯だ」



僕は一応確認すると、ゴウセルはキョトンとした顔でそう答えた。

それを聞いて僕はマーリンの方を見る。

マーリンは動じる事もなく妖艶な笑みを浮かべ、肩を竦めた。


……この女……



「マーリンが探知(ロケーション)でお前を探し出し、俺がそこで眠っていたお前を抱えて戻って来た」

「そうだったのか？」

「気付かなかった…」

「瞬間移動術を使って直接物置まで運んだからな。
団長殿達が気付かなかったのも無理はない」

「……」



マーリンとゴウセルの話を聞き、僕の苛立ちはふつふつと溜まっていく。


僕は再びゴウセルを睨みつけると、怒りを抑えて一つの疑問を投げかけた。



「……どうして」

「…？」

「どうして、僕を探した…？」



だけどそれはいけなかったのかもしれない。


それをキッカケに僕の中で疑問が次々と湧いてくる。

その全てを、僕はどうしても知りたくて。
何とか理解して、安心したくて。

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