彼女の為なら【七つの大罪】part3

彼女の夢 ページ20

「どうして」


「どうしてアナタは私を殺したの？」



ああ、わざとじゃないの。


殺りたくて殺ったんじゃない。



「私は死にたくなかった」


「それなのに、アナタは私を殺した」



だから違うんだ。


僕は殺してない。殺してないんだ。



「罪を償え、罰を受けろ」

「抗えない苦痛を、永遠の苦しみを受けて死に悶えろ」



ああ、喜んで受けよう。


それでキミの気が済むのなら。


だって僕はキミを殺してしまったのだから。



『そんな事しなくていいわ』


『私はアナタを許すから』



どうして、そんな事が言えるの？


僕は、僕はキミに許されない事をしてしまった。



『だけどそれでも、私はアナタを許すから』


『だって私達は親友でしょう？』



……うん、僕もそう思っているよ。


キミを失ってしまった今でも、ずっと。



『だからね、私の事で苦しむのはもうやめて』


『これからは自分の為に生きて』



そんな。


出来るわけがないじゃないか。


だって僕はキミを……



「殺したのだから」



…………そう。


僕は、キミを殺してしまった。


だから僕はキミに償わなければならない。



『そんな事しなくていいわ』


『アナタがこれ以上苦しむ姿は、もう見たくないの』



……キミは相変わらず優しい人間だね。


だけど僕はそれでも………



「償え、その魂が擦り切れて残りカスになっても尚尽くせ」


「それがアナタを生かした理由だ」


「それがアナタの使命だ」



そう、僕はキミに尽くさなくてはいけない。


それが親友ってものなのだろう？



…………あれ？


どっちが、僕の親友の言葉？

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