彼女の微笑 ページ15
「ホーク…ちゃん?」
やけに甲高い声が響き、思わず僕は振り返った。
そして目の前の光景に目を見張る。
真っ黒い塊だった豚野郎はサラサラと砂のように崩れ、風に流れていき
後にそこに小さなピンク色の小さな玉のような物が現れた。
それは少しの間を置いて動き出すと、「プゴッ」と聞いたことのある鳴き声を発して顔を上げた。
……………え?
「お前……生きてるのか?」
団長が目の前の小さな“豚野郎”に訝しげに話し掛けると
「うん…そーみたい」
ソイツは少し困った顔をしながらもそう答えた。
「師匠最高!!うそみてぇ〜〜〜〜♪」
瞬間、バンは小さな豚野郎を高々と胴上げし(つーか真上に投げた)、飛び跳ねて喜んだ。
周りでディアンヌ達も喜び、キングは豚野郎のサイズに驚いていた。
ま……マジかよ……?
生き返った?そんな馬鹿な奇跡が起こるわけ?
つか何でちっちゃくなってんだよ?
他にもツッコミたい所が沢山……
「わーーーーい!!」
「ったく、無茶するブタ野郎だぜ」
……まぁ、いいか。
皆が馬鹿みたいに喜んでいるようだし。
死んでなかったんなら、別に。
「わぷっ…!」
豚野郎の奇跡に周りが喜び騒いでいると
不意に王女様が団長を抱き寄せた。
団長は彼女の豊満な胸に埋まり、ディアンヌが少し悲しそうな顔をする。
「あ…ずるい」
「まって」
そして彼女が何かを言おうとしたら、珍しくキングがそれを遮った。
団長の傷は見る見るうちに癒えていき
王女様が離れた頃には先程の痛々しい姿が有り得ない程回復していた。
「…エリザベス」
「メリオダス様もです…もう…いつも無茶ばかりするんだから…」
王女様は微笑み涙を流すと、両手を広げた団長の胸に飛び込んだ。
団長はそっと彼女を抱き締めて、愛おしそうに頬を綻ばせる。
……はーあ、終わったんだなー。
歪んだ聖騎士長の野望も
長いようで短かった逃亡生活も。
ちょっとした開放感を感じ、僕も少しだけ頬が緩んだ気がした。
……いや、気がしただけだから。
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ヒヨリ(プロフ) - *IJu*さん» 偶然でしたか(笑)すみません。人気にはならないけどいい曲ですよね!私も好きです。聴いて下さりありがとうございましたd(≧▽≦*) (2016年1月31日 7時) (レス) id: 2f457c2e04 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ヒヨリさん» コメントありがとうございます! いえ、ただの偶然です…まさかそのような題名の曲があったなんて…! 因みに聴いてみました!とても素敵な曲ですね(*´∀`)イラストも可愛らしいですし、最近は毎日のように聴いて歌詞を覚えています! (2016年1月31日 0時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨリ(プロフ) - ひとつの国のリラちゃんですか?あ、夢主ちゃんの名前の事ですw私の大好きな曲なんですけど…もしかしたら?と思いまして。良ければ聞いてみて下さいませ。(*´ω`*) (2016年1月27日 21時) (レス) id: 2f457c2e04 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ゆっくりエリー☆(・ω<*)ゞさん» あけましておめでとうございます! お餅は食べられましたか?w 因みに僕はお雑煮の時に3つ食べて以来食べていません(´・ω・`) 七大2期楽しみです!!早く皆の活躍がみたいっ…!! (2016年1月20日 18時) (レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくりエリー☆(・ω<*)ゞ - あけましておめでとうございます!お餅が食べたい私です…にしても作者様いつもいいとこで切りやがって~wコノヤロウww♪( ´∀`)σ)∀`)ウェwあ、七つの大罪アニメ二期楽しみですね! (2016年1月18日 0時) (レス) id: e070c33a98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*IJu* | 作成日時:2015年7月31日 0時