#怒り→笑顔〜瞬木〜 ページ28
A「はー君っ！！」
1人スタジアムの通路を歩き、ロッカールームに向かっていると、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返ると案の定、Aが追い掛けて来ていたようで、俺を見ると微笑み、ユニフォームの袖を掴む。
瞬木「……何」
A「え……あ、その……
……何か、怒ってたから、追い掛けて来たの」
Aは苦笑するが、その声は震えていた。
……少し怖いか？今の俺。
瞬木「……別に」
怒ってなんかいない。
ただ、足がまだ完治してない状態なのに試合をやらせるのに腹が立ってるだけだ。
治ってないのを知らないのなら、まだいい。
だが、あの監督の事だ。
知ってて指示……いや、命令してるんだろうよ。
その態度が、その指示が、その言い方が。
何もかもが、腹立つ。
A「……あのね、はー君！
私の足、結構治ったんだよ？」
少しの沈黙の後、Aは俺の袖から手を離し、少し離れると「ほら！」と怪我をしている方の足だけで立ち、その場でジャンプして見せた。
その表情は、無理に張り付けた様な笑顔だった。
A「だ、だから、私、試合出れるよ？
特訓もちょっとしたから、多分、動けるよ…？」
Aは俺の顔を覗き込み袖を引っ張ると、微笑んだ。
その笑顔に俺は少しだけイライラした気持ちが収まり、長い溜息を吐く。
瞬木「……本当に、大丈夫なんだな？」
A「うん……！大丈夫だよ」
瞬木「走っても足痛くない？」
A「特訓の時走ったけど、痛くなかったよ？」
瞬木「ドジって転ばないよね？」
A「……転ばないもん」
Aはむっ、とムクれた顔をする。
どうやら怒らせてしまったようだ。
A「何でそういう事言うかな……」
瞬木「いや、だってAならやり兼ねないんだもん」
A「や、やらないよ！
そんな……そんな、転ばないもん！！」
終いにはそっぽを向かれ、俺は苦笑する。
怒っていても、相変わらず袖を掴んでいる指は離さない。
A「来なきゃ良かった！行こう、はー君！」
Aはご立腹のまま、袖を引っ張ってグラウンドの方へ向かう。
おいおい、今のは日本語変じゃないか？
瞬木「ハイハイ、わかったから」
俺は笑いながらAに袖を引っ張られ、後に続いた。
あー、もう。
Aってからかうと面白いなぁ。
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＊IJu＊(プロフ) - 白シュ喝采さん» 本当ですかっ？！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) マジで感謝ですありがとうございますっ！！ 更新遅いですが、これからもよろしくデスっ！ (2014年12月13日 13時) (
レス) id: b02a163c50 (このIDを非表示/違反報告)
白シュ喝采 - 1から読みました。すっごく面白いです！更新頑張ってください！ (2014年12月13日 11時) (レス) id: d8055390fd (このIDを非表示/違反報告)
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