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#傷つけたくない ページ49

A「……この、狃垢ご薛瓩蓮△蓮七には見せたくない。だけど…誰かがいないと、私……何かを傷つけてしまいそうで……怖くて……」



先程とは打って変わって、弱々しいいつもの口調で話すと、僕の腕を抱き締める様に掴む。



皆帆「何かを、傷つける?」

A「……今日、花瓶、割っちゃったの」

皆帆「え……?」



言われて僕は彼女の机を見遣る。


確かに、普段は飾られていたはずの
前に僕と一緒に買い物に行った時に買った、造花と花瓶が置いていなかった。


………あれ、壊しちゃったんだ。



A「それだけじゃない……机を5回蹴っちゃったし、椅子も投げた。造花は1枚1枚、花弁を毟って、それを踏み躙ったりもした。

……全部、もう片付けたけど」



Aは目をそらし、床を見つめながら話す。


つまり、彼女は相手を憎むあまり周りに当たり散らしてしまうようだね。

普段は会ってないからその気持ちから離れられるが
今日、本人達を目の当たりにして、再び憎悪の念に火が灯った……と、言うところか。


確かに、それは本人にとっては辛いかもしれない。

周りを傷つけて、少しでも自分の気を落ち着かせようとする。
相手にどうにも出来ないから、代わりに抵抗の無い物や人に当たって、気分を落ち着かせる。


両親を殺された彼女には、これしか自分を落ち着かせる方法は無いらしい。



A「本当はやりたくないの。
やりたくないけど……あいつらの会話を思い出すと、頭にきて、ついっ………!」



Aは僕の腕を思いっきり握る。


っ…物凄い力だ…!

それだけ、彼女の憎悪の念は強いって、ことなのかな…?


……っていうか、このままが腕が…っ…!



皆帆「A、痛いっ!痛い痛い!!」

A「…あ……!!」



僕が痛みのあまりにそう叫ぶと、Aは我に返り、パッと手を離した。



A「ごっ、ごめんなさい……!!
ごめんなさい、ごめんなさいっ……!」



そして、僕から少し離れると何回も僕に謝る。

涙を瞳に滲ませながら。



皆帆「だ、大丈夫だよ、A。僕は平気さ」



僕はそう言って微笑み、Aの頭を撫でる。

Aはパッと顔を上げ、驚いたように目を見開いていた。



皆帆「……」



そして、僕は無言でAを引き寄せ、抱き締めた。

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くにとび(プロフ) - こんばんは~ (2014年9月11日 20時) (レス) id: 8081e2eb22 (このIDを非表示/違反報告)
美薫(プロフ) - 続編おめでとう御座います(T_T)更新、楽しみに待ってます(`∇´ゞ頑張って下さい(^o^)/ (2014年6月23日 22時) (携帯から) (レス) id: c09d542fe6 (このIDを非表示/違反報告)
狩屋ハルカ - 続編おめでとうございます!応援してます!頑張ってください! (2014年6月23日 16時) (レス) id: b968f3be84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2014年6月22日 17時

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