#歪 ページ45
静音「Aちゃん?!いるのかい?!」
ふとおばちゃんの声が聞こえ、ハッと我に返る。
私の部屋の前にいるようで、扉の向こうからおばちゃんの声が聞こえる。
静音「今、何か割れる音がしたんだけど大丈夫かい!?」
A「だっ…大丈夫です!
花瓶が…わ、割れちゃっただけ、です。
か、片付けとくので、部屋には、入らないで、下さい…」
私は少し大きめの声で慌てておばちゃんにそう言った。
するとおばちゃんは納得したのか、「そうかいそうかい…怪我はない?」と私の身を案じてくれた。
怪我は特に無かったので、正直に「大丈夫です」と答えると、おばちゃんは何処かに去って行った。
A「………もう、嫌………」
私が呟いた、その一言は
私の頭の中で、何度も反響する。
ーーー
杏奈『準決勝、お見事でしたわ』
梓『心より御祝い申し上げます』
お父様の両隣で微笑む、悪魔。
___よくもそんな、心にも思って無いことをしゃあしゃあと___
2人はくるりと1回転しながら私の両隣に移動し、馴れ馴れしく私の肩に手を置く。
杏奈『猖榲、弱虫の出来損ないのくせに。
ああいう時はそれなりに行動出来るのね瓠
梓『爐任癲調子には乗らないで下さります?
貴方はそれでも出来損ないのままなのですから瓠
2人は片方ずつ、私の耳元に口を寄せると
先程の猫撫で声とは打って変わり、ドスのよく聞いた声で耳打ちする。
『杏奈、梓。
2人もAに負けぬよう、しっかり勉学に励むんだよ』
『『はい、わかりましたわ、お父様』』
しかし私の耳から離れると、また甘えるような声で言葉を返す。
___ああ、キモい___
『じゃあ、今日はこの辺にしておくよ。
次の試合も頑張れよ、A』
A『はっ、はい、お父様…』
お父様は踵を返すと、乗って来たと思われる大きくて立派な車に向かう。
杏奈『爛奪繊弔い弔癲貴方ばかり褒められて、忌々しい瓠
梓『犁方なんか、死んじゃえば良かったのに瓠
杏奈は私の足、しかも丁度私が昨日怪我をした右足の甲を、少し高めのヒールの靴を履いたその足で踏み躙り、お父様の後に続いた。
A『っ……ぁ……』
私は痛みに耐え、何とか踏ん張り立ち続けた。
2人の顔を見ると、口元を歪に上げて笑っていた。
私はその表情を見て、沸き上がる怒りを必死に抑え
ただただ、2人を睨み付けていた。
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くにとび(プロフ) - こんばんは~ (2014年9月11日 20時) (レス) id: 8081e2eb22 (このIDを非表示/違反報告)
美薫(プロフ) - 続編おめでとう御座います(T_T)更新、楽しみに待ってます(`∇´ゞ頑張って下さい(^o^)/ (2014年6月23日 22時) (携帯から) (レス) id: c09d542fe6 (このIDを非表示/違反報告)
狩屋ハルカ - 続編おめでとうございます!応援してます!頑張ってください! (2014年6月23日 16時) (レス) id: b968f3be84 (このIDを非表示/違反報告)
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